2年前の夏に「おやじのプー船」なる花火を購入した。昭和の親父が横になってくつろいでいるデザインで、点火をすると勢いよく火花を噴きながら笛が鳴り、クライマックスには親父のお尻からぷーっと風船が膨らんだ。小学生が喜びそうな “おもしろ花火” の1つである。

今回ゲットした「まじんのランプ(135円)」も同じ系統の花火だろう。噴水のように火花が噴き出た後にランプの先から魔神が登場するに違いない。煙の中から魔神が出てくるならカッコイイかもってことで買ってみた。

・まじんのランプ

歴史的とも言われる物価高の影響を1ミリも感じさせない「135円の花火」。100円ちょっとで夏らしさが感じられるのだからコスパは神と言えるだろう。無理して大混雑する花火大会に行くよりも、自宅や軒先で「おもちゃ花火」を楽しむ方が気楽でいいかもしれない。

今回の主役は、言うまでもなく魔神である。普段は魔法のランプに閉じ込められていて、いざランプから出たら持ち主の願いを叶えてくれる……誰もが知っているあの超有名なランプの魔神の花火ってことだ。花火職人もよく思いついたものである。


実際、花火にも「絶対願いが叶う


…………


らしいよ」と書いてある。


……こういった小ボケも花火職人が考えているのだろうか。気を取り直して魔神を召喚してみたい。組み立てて導火線を引っ張り出したら準備完了だ。


・花火をお楽しみください

お待たせしました。それでは皆さまも夏らしさを感じてください。導火線の先端に火をつけると……


シュパッ……



そして!



プ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



火花が噴出することなく、煙の中からテンポ良く魔神が登場。なるほどこれは逆に良い演出……と思ったら



ス〜〜〜〜〜〜ッ


一瞬でしぼんでしまった。


ランプの魔神との出会いは一瞬であり永遠であった。それは他の花火とも同様であり、高速でしぼんでいく魔神の姿は流れ星のようでもある。流れ星が光っている間に願い事をするのが難しいように、すぐに現れてすぐに消える魔神に願いを頼むのは無理だった。


・それでも135円

華やかさは足りないかもしれないが、ド派手な花火ばかりを見た後には癒し系花火も必要。「おやじのプー船」よりもスベるリスクは少ないし、魔法のランプは大人も子供も楽しめるはず。135円なら買って損はないと思うので、花火をする機会があればぜひ選んでみてほしい。


参考リンク:楽天市場「まじんのランプ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.