コロナ禍で爆発的に流行ったものといえば餃子の無人販売所がある。都会から田舎まで数多く出店しており、「餃子の雪松」が有名どころで一度くらい利用して食べたことある人も多いのではないか。

先日、無人販売所の中でも何か珍しいものはないかな〜と餃子パトロールをしていたところ、四国を中心に展開しているお店を見つけた。その名も「餃子香月」というのだが、一体どんな味がするのだろう──。

・徳島の餃子

そう気になったのでお取り寄せで食べてみることにしたのが今回の話である。「餃子香月」は徳島県の会社「ふじや」が運営し、四国を中心に店舗を展開している(2023年4月現在)。

なんでも、特徴は薄皮なことで一般的なものより3割以上薄いのだそうな。ちなみにお取り寄せで頼んだのは、にんにく餃子と生姜餃子のセット。お値段3000円(送料別)なのだが……

108個(にんにく餃子36個+生姜餃子72個)入りというなんと泣く子も黙る量の多さだった。1個あたり30円弱……コレでウマいとなれば、かなりのコスパだと言っていいだろう。

んでもって中身はこんな感じ。パッと見だとやや小ぶり、これは機械で作っているのかな〜といった印象だが、はたしてどんな味をしているのか。ひとまず作ってみると……

うむ、なかなかウマそうではないか! それでは餃子バディ(相棒)である編集長のGO羽鳥と食べ、どんな餃子か分析するとしよう。


・実食

まずは羽鳥から実食。以下がその感想である。

羽鳥「ほぉ……ウマいね。まず皮が柔らかい。神戸餃子って皮が柔らかいんだけど、それくらい柔らかいね。これは好きだよ。そして生姜がスゴい、生姜好きの生姜人間みたいな身からするとだいぶ好きだね。ただ……」


羽鳥「やりすぎ感があるかな。普通の人からすると生姜がかなり強く感じられるかもしれない。んで薄皮っていうのは好みが分かれるところだけど、生姜のインパクトとマッチしている感じはしないかな。次に食べたニンニクもそうだなぁ、こっちも随分と振り切ってる(笑)」


次に私も食べてみたのだが、生姜とニンニクともに振り切り具合はかなりのものでここまでやるのは勇気がいったことだろう。その様子を例えるならば……お笑い芸人のハリウッドザコシショウみたいな餃子かな。

羽鳥と私、なぜかザコシで妙に意見が合ったのだが、エッジがとんでもなく効いていたからに他ならない。もう中身の強さがボケっぱなしで暴走している姿と重なるというか、とにかく歩みを止めることがまったくない。

ただその分、売りであるはずの薄皮……すべてを包み込むMCの皮がザコシ(中身)をうまく回せていない印象も受けた。中が濃い味なら外も濃くあったらよかったかなというのが正直なところだ。とはいえ……

人の好みはそれぞれで、薄皮の美学というのも分かる。もとから薄皮好きで、なおかつパンチの効いた餡が好きな人にとってはツボにハマるに違いない。

魂をどこかに置いてきたどっちつかずの餃子も少なくないなか、地獄を感じるほどの振り切り方はかなりのもの。我々としては皮がしっかりしているのが好みだが、中身の強さ……特に生姜のパンチ力には驚くしかなかった。

無人販売所だから誰でも食べやすいように……なんて気持ちはあまりないような尖った餃子だった餃子香月。無人販売所はまだまだ数が増えているし、今後もっとエッジの効いたものが身近なところで買えるようになるのかもしれない。

参考リンク:餃子香月
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.