茨城県にはとんだヤンチャ餃子があったものだ。餃子のセレクトショップ「餃子図書館」でたまたま見つけて買ったものなのだが、まるもん餃子はかなりのハードパンチャー。しかも、そのパンチの中にあまりないタイプの胡椒が見えたから面白い。

ルーツは昭和52年に笠間市で創業した町中華「中華 大門」で、先代が考案した餃子は1日に1000個も売れるほど人気だったそうな。そして先代が亡くなり時が経ったある日、女将が棚の奥から先代のレシピノートを発見。その餃子を復活させたのが「まるもん」なのだという。

・見るからにモチモチな餃子

いまや女将から子どもたちに継承されている まるもん餃子。餃子の特徴としては国産原材料を使用している点、そしてもちもちの皮と肉と野菜の絶妙なバランスで仕上げたところにあるらしい。

12個入りで1200円(餃子図書館価格)。これだとちょっと高いかなと感じる人もいるかもしれないが、そこそこ大きさがあるぶん味がよければ妥当と考えることもできそうだ。ちなみに作り方は蒸して焼くだけと一般的な餃子と変わらない。


てことで作ってみると……


うん、いいんじゃないか! もちもちの皮に偽りなしと断言できるくらいブリンッとしていて、見るからに美味しそうである。さてさて、1日1000個売れた餃子のお味はいかに。いただいてみよう!


・ジャッジメントの刻

まずは編集長のGO羽鳥から食べてみることに。一口で豪快にパクリといったところで、いざジャッジメントの刻!!

羽鳥「おっ、おおおっ、うん、うん!」


羽鳥「いいんじゃない? 思い出す餃子があったよ(ニヤリ)」


羽鳥「まるもん餃子は佐々木小次郎かな。んで思い出したのは宇都宮の正嗣(まさし)だね。宮本まさしの姿が見えるよね(真顔)。それにしても肉汁がスゴいなぁ〜! 町中華って感じがする!!

こりゃあ人気出るだろうね。1000個も売れるのも納得だよ。皮も素直でいい! 物凄く肉厚で味もついていて、そこから味わう餡もインパクトあるよ!」

ふむふむ、なるほど。サラッと放り込んできたギャグはスルーするとして、次に私も食べてみる。羽鳥の言うように肉汁のスゴさ、そして正嗣を連想するのも納得した。なんというか餃子を噛んだ瞬間にガツンとした味が攻めてくるのだ。

正嗣が生姜でガツンとくるように、まるもん餃子もガツンとくる。正確には何なのか分からないがおそらく胡椒。生姜とは違ったピリッとくるものがあって、ついついビールが欲しくなってしまった。定食と合わせても相性よさそうなあたり、これぞ町中華といった餃子だ。


・間違いなくビールに合う

それにしても、このガツンは一体どうなっているのか。不思議に思ったことで原材料を見たら……胡椒より生姜の方が多めに入っていたから謎は深まるばかり。ただ、よく見ると皮にも塩を使っており、狙って塩っぱさを出しているのがよく分かった。

加えてデフォルト状態でゴマ油も入っているところも見逃せない。ガツンの正体、それは濃い味をぶちこみまくっているところにあるのかもしれない。そこから胡椒を感じさせるのは何か秘伝のテクニックがあるのだろう。たぶん。

それだけに味付けはめちゃくちゃ濃く、タレや醤油をつけようものなら事故ってしまう……酢がギリギリで濃いレベルだから、何もつけずに食べる方がいいかも。とはいえ、それでいながらバランスはとれているから人気だったのもうなずける。

1000個売れた当時はどんな感じだったのか分からないが、きっとお客さんはヤンチャな味を求めていたのではないだろうか。酒飲みなら一発で気に入ると思われる まるもん餃子は通販もやっているため、宅飲みをする人はぜひ試してみてほしい。

参考リンク:餃子図書館まるもん餃子
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.