時すでに遅し。人生においてこのようなシーンはたびたびあるが、今回ばかりは盛大にやらかした。もはや失敗どころか大失敗。貧乏餃子という餃子をお取り寄せしたまではよかったが、取り返しのつかないことをやってしまった。

当編集部は出来上がった餃子を前に肩を落とし、ただただガックシ。絶望しながら食べたらもっと大変なことになったので、注意喚起も含めて一部始終をお伝えしたい。一体何がどうなったのかというと……!!

・貧乏餃子とは

まずは貧乏餃子について簡単に説明しておこう。これは東京・新橋に本店を構える「一味玲玲」の餃子で、「貧乏」の由来は昔お肉が高い頃に当時の安い食材を集めて作ったことにあるそうだ。ちなみに餃子のルーツは発祥の地・中国東北地方とのこと。

お取り寄せで貧乏餃子10個セット1860円(送料別)を2つ注文して届いた中身がこちら。餃子を作るにあたり、他と大きく違ったのは……

トウモロコシの粉が同封されていることである。察しがつく人もいるだろうが、これは羽根になるやつで水に溶かして……

全体にかけて焼けばOK。ちょっと変わってはいるものの、難しい手順でもないし羽根をキッチリつけられるから美味しくなりそうな予感しかしない。同店は食べログの百名店に2度選ばれているみたいだし、こりゃあ相当ウマいだろうな〜


──と思っていたのだが、この時点で我々はやらかしてしまっていた。なかなか焼けないことを不思議に思ったので説明書を改めて見てみると……な、ななな、なんと……


本来なら付属のトウモロコシから大さじ1杯を水150ccに溶かせばいいところ、我々はあろうことかオールイン。つまりは鬼のような濃度のトウモロコシ水を入れて餃子を焼いていたのだ。


・時すでに遅し

見た目こそ大量のトウモロコシ水がチーズみたいで美味しそうだが、焼き目は大変なことになっているに違いない。もう前に進むしかないため、意を決してひっくり返してみると……うわあっ!


見たことない料理になっちゃってるぅ〜!! これはプリン? 韓国料理? 台湾スイーツ? もしくはパンケーキ……!?


羽根というか屋根のついた餃子ができてしまった。でもでも、ミスっちゃったのは仕方ないし、本来の味を体験できなくても仕方がない。もし美味しくなくても仕方ないと思っていた。ところが……!!

・失敗に負けないウマさ

このパンケーキ餃子……じゃなくて、貧乏餃子はここからがスゴかった。恐る恐る口に入れた我々だったが……


うわっ!


これは大変なことになったぞ……!!


直球で感想を述べるならめっちゃウマい。これでもかとトウモロコシの羽根がついているにかかわらずウマいのである。

まずよかったのが具に尽きる。エビを筆頭に玉子、ニラがゴロゴロと入っているのだが、とにかくどれもパワーが強い。そして厚めの皮からブチュウッと溢れる肉汁といい、しっかり美味しさのポイントを押さえているのがよく伝わってくる。

かといって、ただ具でゴリ押しするだけじゃなく、こちらに味を分かりやすく伝えてくれるからまいった。なんというか、1つ1つの味がしっかりしていて「こういうのでいいんだよ」のお手本と表現したらいいだろうか。これは人気になるのも納得だ!

そしてニンニク醤油ダレをかけても抜群にウマく、失敗しながらも中国本土が見えた。もしきちんと作れていたら上陸……否! 中国の皇帝も認めた一皿1980円の焼き餃子に匹敵する味だった感じさえする。

それくらい満足できる味だったし、中国感もハンパなし。パンケーキみたいにしてしまったのがただただ申し訳ないし悔やまれる。


・文句なしの中国餃子

トウモロコシ水がたっぷりつかなければ、さらなるインパクトを残したと思われる貧乏餃子。重大なミスをしたのにリカバリーできるポテンシャルは相当だが、せっかくなら完全体を味わっていただきたい。どうか分量にはご注意を。

なお、余った餃子で水餃子を食べてみたら言うまでもなく最高だった。ネーミングこそ貧乏餃子となっているも、その実力は確か。中国の風を感じすぎて小籠包のようでもあったが、中国っぽい味が好きだという人なら必ず刺さるはず。これは胸を張ってオススメだ!

参考リンク:一味玲玲
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼酢胡椒とニンニク醤油タレが入ってた