たったいま、2023年1月27日からAmazonプライムビデオで世界同時配信となった『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』を見終えた。一言で表すならば「内容が全然頭に入って来なかった」と申し上げるしかない。

……が、これは全くネガティブな意味ではなく、むしろ私(P.K.サンジュン)と同じおっさんたちならば同様の現象が起きるハズ。そう、かつてテレビで「ルパン三世」と「キャッツ・アイ」を鑑賞していた40代以上のおっさんたちならば──。

・クロスオーバー

テレビCMやらネット広告でご存じの方も多いと思うが『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』は、ルパン三世50周年とキャッツ・アイ40周年を記念して製作された、Amazonのオリジナルアニメーション作品である。

日本に嫌いな人が1人もいない『ルパン三世』と、当時全ての青少年をトリコにした『キャッツ・アイ』を1つの作品にしてしまうのだから『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』はすごい。Amazonさん……儲かってまんな!!

・当時を知るおっさんの感想

それはさておき、ストーリーや製作のいきさつについては公式サイトでもご覧いただくとして、この記事では少年時代に『ルパン三世』も『キャッツ・アイ』もテレビで見ていたおっさんの率直な感想を述べていきたい。

当時『ルパン三世』に関してはあたり前のように見ていたので割愛するが『キャッツ・アイ』は夕方の再放送でサラリと見ていた記憶がある。なぜなら『キャッツ・アイ』は少々色っぽく、母親の前で堂々と『キャッツ・アイ』を見ることは気が引けたからだ。

レオタード姿の3人はカッコ良さと色っぽさを兼ね備えており、まだ性に目覚めていなかったサンジュン少年さえもドキドキしていた。しばらくお目にかかっていないのも『キャッツ・アイ』の方で、動く三姉妹を見たのは何十年ぶりだろうか?

……が、だからこそ『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』は全然頭に入って来ない! なぜならキャッツ・アイの記憶が甦るたびに感情がフワフワしてしまい「懐かしィィイイ!」とノスタルジックな気分に覆われてしまうからだ。

・懐かしさ全開

例えば三姉妹の末っ子「愛(あい)」の一人称が “ぼく” だと思い出した時は「せやったなぁ~」と目頭が熱くなったし、長女の「泪(るい)」が相も変わらず妖艶なご様子だと「こんな感じだったなぁ」と1人ドキドキしてしまった。

また次女で主人公の「瞳(ひとみ)」と、恋人で刑事の俊夫(としお)の関係も「そうそう、こうだった!」といった感じになってしまい、一巡目は「記憶の取り戻し & 感情を鎮める作業」で終わってしまったことが、内容がほぼほぼ頭に入って来なかった理由である。

さらに言えば『キャッツ・アイ』のテーマがかかった日にゃあ、冷静じゃいられねえ! 都会(まち)はきらめくパッションフルーツよ? 見つめるキャッツ・アイよ? 緑色に光るんですから! 冷静にストーリーを追えるハズがないでしょうよ!!

……と、お恥ずかしながらこんな感じで1巡目を終えてしまったが、作品自体もシャープにまとまっていた……と思う。そりゃ当時と比べてカッコ良くなりすぎているルパンには違和感もあるが「これも時代の流れ」と個人的にはさほど気にならなかった。

・音楽のパワー

批評できるほど内容を覚えてないので気は引けるが、少なくとも「見て損した」「時間を無駄にした」とは思わなかったし、なんなら「ちゃんと心を落ち着けてからもう1回見よう」と考えている。Amazonプライムビデオの環境さえ整っていれば「見てもいいと思うよ!」と余裕でオススメだ。

やや被ってしまうが『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』は、アニメーションもさることながら “音楽の力” を感じた作品である。というか、見せ場で「ルパン三世のテーマ」と「キャッツ・アイ」を使えるなんてむしろ卑怯! 普通にヤバい!! これも内容がほぼ頭に入って来なかった大きな理由の1つだ。

というわけで、ルパン三世にもキャッツ・アイにも思い入れがない人はわからないが、私と同じおっさんたちには「ルパン三世 vs キャッツ・アイは最低2回見た方がいいよ!」とお伝えしたい。Amazonの思惑通り、まんまと私はやられてしまいました。

参考リンク:ルパン三世 vs キャッツ・アイ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:©モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世VSキャッツ・アイ製作委員会

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