「推しの子」。アニメ化もされてめちゃくちゃ話題になっている大ヒット作品だけど……実は筆者、今までに1度も読んだことがない。

周りの人から勧めてもらったりアニメのオープニング曲「アイドル」を聴いたりはしていたものの、腰が重いタイプでなかなか手を出せずにいた。

だけど、この旬な作品をスルーするなんてもったいないよな。そう考えて、先日満を持して読んでみたところ……あまりに引き込まれすぎて、泡を吹きそうになりつつ1日で最新話まで読み切ってしまった。

なるほど、これはヒットするわ……! 1つ1つのエピソードに対して長文感想を書きたいところではあるのだが、それだと記事の文量がとんでもないことになってしまうので特に印象に残った章をピックアップしてみた。

これ以降、本編のネタバレがガッツリ含まれているので未読の方は自己責任でスクロールしていただきたい。


・幼年期

アイドルグループ「B小町」のセンター、「アイ」の熱心なファンである医者「ゴロー」。ある事件に巻き込まれて殺されてしまい、気づくとアイの子供「愛久愛海(あくあまりん)」(以下アクア)に転生していた。

双子の妹「瑠美衣(るびい)」(以下ルビー)は過去にゴローが担当していた病気の少女「さりな」の生まれ変わり。さりなも同じくアイのファンで、2人は正体を隠しながら推しとの生活を送っていく。

子どもがいることは隠さなければいけないのにアイがうっかり口を滑らせそうになるなど、時折挟まれるコミカルなやり取りにほっこりしつつ読み進めていくと……


嘘でしょアイ死んじゃうの!???!??!?


序盤の序盤からかっ飛ばしすぎでは!? 「アイドル」、あんなに「アイの曲です」って感じだったのに!? 

曲だけ聴いていた身としては完全にアイが主人公だと思い込んでいたので、まさかこんなに早々に退場してしまうとは思わなかった。これからアクアとルビーと一緒に幸せになれる流れだったでしょ……悲しすぎる……

最期の顔が笑顔だったの、もちろんアクアとルビーに対する気持ちが本物でよかったっていう安堵の気持ちもあったんだろうけど、最後までアイは本物の「アイドル」っていう存在を貫き通してるみたいでくるものがありました……(オタクの早口)

想像もしていなかった展開に、一気にページをめくる速度が上がる。誰なんだ……アイを殺した真犯人、誰なんだ……!!


・2.5次元舞台編

その後、アクアは母親を殺した犯人を捜すため、ルビーは母親のようなアイドルになるために芸能界に入る。俳優として活動するアクアに、ある日漫画を原作とした2.5次元舞台の仕事がやってくるのだが……


あ……あぁ~~~~~っっっ(頭痛)


クリエイター同士のぶつかり合いや商業作品を作ることの大変さ、実力次第で後輩に易々と追い抜かれることなど、漫画を描いている身としては突き刺さる要素ばかりで途中で頭を抱えたくなった。胃がギリギリする……!!

序盤こそ好奇心が勝っていたが、このあたりから意識が飛びそうになりつつ読んでいた。なお、個人的に2.5次元舞台を追いかけていることもあり、あの作品も色々な人の葛藤や苦労があって完成しているんだろうな、と改めて思ったシーンでもあった。


・プライベート

ルビーはMVの撮影のため、前世の自分が入院していた病院のある地へやってくる。そこで見つけたのは、過去に自分が大好きだった「先生」……ゴローの白骨化した死体だった。

自分から母親と大好きな先生を奪った人物が同一人物だと気づいたルビーは、復讐のために動き出す。

ルビーは光属性のままだと思ってたよ!!!!!!!!!! ここからルビーは、兄と同じように復讐のため人を利用したり自分自身を追い込んだりと手段を選ばない行動をとるようになる。

アイドルとしての初めての仕事の時は「嘘は嫌だ」って言うくらいまっすぐだったのに……でも、大好きな人を2人も奪われたらそりゃそうなるよな~~~!!!!! 救いはないのかこの世界……さすがにもう口から泡出ちゃう……と思っていたら!!!!!!


・映画編

映画編ではまた違う展開を迎える。B小町のメンバー「有馬かな」がスキャンダルに晒されてしまい、それを隠すため自分たちがアイの子供だと世間に公表するアクア。母が隠し通していた事実を明るみに出したアクアに、ルビーは激昂してしまう。

ゴローとアイの仇を取るため、本来なりたかった姿とは違う方向にルビーが1人で向かおうとしているのを見て、アクアは自分がゴローの生まれ変わりだということを明かし、復讐に囚われなくていいと説得。

大好きな先生の言葉に、ルビーは無事に立ち直るのだった。


正直に言おう。泣いた。

アイドルを始めたばかりの頃とは全く違う目的で行動するルビーに不安しかなかったけれど、やっと先生と再会できて、1人の戦いから解放されてよかった……まだ少しアクアに不穏な動きがあるのは気になるけど!! 


・続きください!!

は~、本当にこの作品すごいや……番外編を除いた本編だけでも全部で100話以上あるのに、途中でダレてしまうこともなく気付いたら最新話までたどり着いていた。泡を吹きそうになりつつとはいえ、自分でもこんなスピードで読破したことにびっくりしている。

今後、アクアとルビーはどう動いていくんだろう? 何か真相を知っているらしい謎の少女は誰? カミキヒカルは最終的にどうなるんだ……? うおおお、今すぐ続きを読みたい!!

ということで、今さらながら筆者もすっかり「推しの子」にハマってしまった。今後はもちろんリアルタイムで追いかけさせてもらおうと思う。

参考リンク:推しの子Amazon
執筆・イラスト:うどん粉
Photo:PRTIMES