おひとりさま向けピザセットのおかげで、日本の宅配ピザは大勢でワイワイ食べるものから、ひとりでも食べられる手軽な食事へと姿を変えてきている。

このたびピザハットで、コメを使ったピザ「ごはんピザMY BOX」がラインナップに加わった。そう、そいつは「米(マイ)BOX」。上手いこと言ったな!

メニューは3種で、それぞれに3種のピザが入っているのでピザとしては全9種。ここは余さず食べてみるべきでしょう!


・「ごはんピザMY BOX」

「ごはんピザMY BOX」は「和風セット」「欧風セット」「米国風セット」の3種類。

価格はデリバリーで税込1350円、テイクアウトで税込1000円だ。お近くに店舗があるならテイクアウトが断然おすすめ。それぞれ、ごはんピザ3種、ハットフライポテト、ナゲット2個がセットになっている。


・和風セット

おひとりさまを想定しているMY BOXは、それこそ弁当箱のようなサイズの紙箱。平たくて大きいピザボックスじゃないから、持ち歩きもしやすい。


「和風セット」に入っているのは焼肉牛カルビ、てりやきチキン、明太マヨしょうゆの3種だ。


右サイドの区切られたスペースに、フライドポテトとナゲット2個が入っているのは以下同じ。それぞれ試食してみよう。

焼肉牛カルビ


公称値で直径およそ7.5cm。手のひらにのるサイズで、持った感覚はおやきのよう。

筆者が最初に食べたのが「焼肉牛カルビ」だったのだが、最後までコレがマイベストだった! 「空腹補正が入っているのかも?」と思ったが、何層にも重なる味の奥深さ、ごはんとの相性、こぼれたりしない食べやすさ、すべてにおいて完成度が高かった。

なんと言っても甘塩っぱくてジューシーな牛カルビ! そこにマヨネーズがばっちりきいている。和風セットに分類されているのだけれど、使われているのはプルコギ。

甘ダレの焼肉と白米が合わないはずはなく、「これ嫌いな人いる?」という完成度。万人受けするはずだ。

それにしてもピザオーブンで焼いたごはんが旨い! 見た目は焼きおにぎりに近いが、平たい形状もあってムラなく均一に焼けている。

ガリガリになりすぎて歯にはさまる、なんてこともない。おこげが好きな方には物足りないかもしれないが、ごはんのふっくら感がしっかり残っている。焼きおにぎりと普通のおにぎりの、ちょうど中間ぐらい。筆者はとても好きだ。

てりやきチキン


先ほどの「焼肉牛カルビ」と同様、こちらも「甘い×塩っぱい」系。ただしこちらはチキンがスモーキーで、肉自体の存在感が強かった。

たまに甘い煮汁でチャーシューを作っている中華料理店があるけれど、そんな甘さのチキン。しっかり噛みごたえがあり、「肉を食べている」感覚がする。

トッピングにコーンが加えられているのもおもしろい。てりやき、マヨネーズ、コーンの組み合わせに間違いはない。

明太マヨしょうゆ


和風の3つめ。こちらは一転、明太子としょうゆが大人の落ち着きを演出している。ほんのり感じられる海の幸の塩気。普段食べ慣れたおにぎりっぽくて違和感がないが、ベーコンと組み合わせているのはちょっと珍しい。

ただし前者2つに比べるとやや地味で大人しく、インパクトに欠けるかもしれない。たぶん最初に食べていれば、もっと繊細な味わいがわかったはず。筆者はこってりした肉メニューの後に食したので、少々不利になってしまった。

もし「和風セット」を買ったなら、明太マヨから食べるのがおすすめ!


・欧風セット

続いてはイベリコ豚とバジル、海老とオマールソース、ミラノ風ソーセージの入った「欧風セット」。スペイン、フランス、イタリアがコンセプトのよう。それぞれが世界に名だたる美食の国だ。

イベリコ豚とバジル


端がカリカリになるくらいこんがり焼かれたイベリコ豚が、ぜいたくな厚切りで2切れ。

濃っっっ厚な脂身で、そのままだとちょっと脂っぽく感じるくらいなのだが、バジルが爽やかさをプラス。これは絶対にバジルがあったほうがいい。豚肉とかベーコンが好きなら、きっと満足できる。

海老とオマールソース


9種の中で唯一「クリーム系」と呼んでいい個性派。

グラタンやシチューのようなホワイトソースとチーズ。そこに、もっちりした海老が2尾のっている。まろやかでミルキー、これまでの甘塩っぱ系とはテイストが変わってとてもよかった。

クリームドリアという料理があるくらいだから、ホワイトソースと白米というのが意外にも合う。ちゃんと「ごはんピザ」として成立していて新鮮な驚き。

ミラノ風ソーセージ


薄切りにしたミラノ風ソーセージがオン。ミートソースがベースなので、どこか家庭的で食べやすい。トマトソースやケチャップの酸味が苦手な方でもこれは好きだと思う。とりたてて個性があるわけではないけれど、安心して食べられる1品。


・米国風セット

最後にガーリックシュリンプ、バーベキューポーク、ペパロニラバーの入った「米国風セット」。アメリカ料理といえば、失礼ながら味のハーモニーうんぬんよりも、シンプルかつジャンクな豪快料理を連想するがどうだろうか。

ガーリックシュリンプ


9種の中では、もっとも見た目が地味なガーリックシュリンプ。なんだか全体的に白っぽいし、ソースもほとんどない。

ところが、味は想像以上にガツンとしている。味つけは「ニンニク、コショウ、以上!」という感じなのだが、ちりばめられたニンニクチップスに存在感がある。というか、ニンニク以外の印象がない。シンプルながら食欲をそそる1品で、ハワイの風を感じる。行ったことないけど。

バーベキューポーク


イベリコ豚ベーコンは欧風セットにも登場したのだが、コンセプトはまったく異なる。こちらは、まさにアメリカンバーベキューといった感じの甘いソースがかかっている。

それもフルーツソースのような、ちょっと酸味のある甘さ。厚切りのポークは食べ応えがあり、ボリューム感もある。

ペパロニラバー


ピザの定番、ペパロニ。そもそもペパロニはアメリカで作られたんだって! スパイシーなサラミのことらしいが、辛さはほとんどなかったので、辛いものが苦手な方でも大丈夫。

むしろ酸味のほうが強く、タバスコのような爽やかさがある。謎肉のようなものはイタリアンソーセージだ。サラミの塩気がばっちりきいて、ピザらしいピザ。美味しいけれど、むしろピザ生地で食べたい気もする。


・勝手にランキング

以上9種、勝手にランキングするなら


第1位 焼肉牛カルビ
第2位 海老とオマールソース
第3位 てりやきチキン

だ。全体的に美味しかったが、「ごはんとの相性がいい!」「これはごはんピザで食べるべき!」と思ったのが上記3品だった。

ゆえに、とくにこだわりがなく、肉が好きなら「和風セット」を選んでおけば間違いない。ごはんが使われているのだから、考えてみれば当然だったかも。

個人的にピザの最大の難点は「飽きる」ということだ。とくにピザ生地のモサモサ感が後半になるとキツくて、耳を残したり、クリスピー生地一択だった時期もあった。けれどごはんになると不思議、いくらでも食べられる!

商品開発の背景には、若者の「コメ離れ」をはじめとするコメ消費量の低下や、食品の輸入依存、小麦価格の高騰など昨今の社会情勢に対する危機感があったという。奇をてらったのではなく、マジメな理由があるのだ。

一部店舗を除く全国のピザハットで展開中。なんかもうピザとは別の料理になりつつあるが、海外からのお客さんにも食べて欲しいなぁ。これがジャパニーズピザだ!


参考リンク:ピザハット
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.