オーケィ、分かってる。「エスカレーターは歩かず左右2列並んで使用するもの!!!」「左右どちらか空けるヤツは悪・即・斬ッ!!!!」的なご意見。分かっているが、その理想は現実と程遠いのが実情。

長いものには巻かれておけが座右の銘な筆者としては、やはりそれぞれの地域で優勢な勢力に従っておきたい。私はコウモリ。そんな筆者だが、先日とまどいを禁じ得ない状況に直面した。

それは京都駅でエスカレーターに乗ったときのこと。関西だから右立ちかと思ったら左……かと思ったら右……というわけでも無さそうで、実に混迷を極めている状況。こ、これは……

・混迷

違和感に気付いたのは、京都に到着してすぐ。新幹線に乗っている時は「関西だから」という理由で右に立つべきだと思っていた。間違えないように気を付けよう……と。

しかし、いざ到着してみると誰もが左側に立っている。ほう、京都って東京と同じでいいんだな。意外ではあったが、関東から来た筆者的には順応しやすいので全く問題ない。


そうしてエスカレーターを使用。用事を終えて戻ってきて、再び同じエスカレーターを利用したところ、人生で初めて見る光景が。


さっきは上りも下りも左立ち右空けだったのに、数分後に戻ってきてみたら下りだけ関西スタイル! なん……だと……? しかも、誰も疑問を抱いている様子はない。


・他の場所でも

その後、駅の他のエスカレーターでは関東スタイルだったり


かと思いきや関西スタイルだったり


繁華街の商業ビルでナチュラルに関東スタイルだったりと、東西スタイルが入り混じっている


ちなみに筆者が先頭になったときにはそれとなく中心に立ち、後ろの人のムーヴをチラ見して、コンマ数秒遅れでそこに合わせるスタイルで乗り切った。知恵あるコウモリ。

しかし、これは一体どういうことなのか? 結局よくわからないままで東京に帰ってきてしまった。こうなっては京都人に直接問いただすしかないだろう。


・京都人の見解

ということで召喚したのが編集部にいる京都人、和才雄一郎。


和才さん、京都のエスカレーターは、西と東どちらの陣営なんですか? どちらの陣営ともとれる動きを見せていますが……?


和才「なるほど、あまり意識してませんでしたが、そう言われてみればそうかも……」


まさかの意識していなかったという発言。まあ実際、現地の京都人たちは筆者のように疑問を抱いている様子では無かった。

私服の大人だと観光客なのか現地人なのか判別不能だが、例えば写真にも写り込んでいる小学生やJKたちは超高確率で京都人だろう。

その彼らとて、自然に関東スタイルだったり関西スタイルだったりと変幻自在だった。エスカレーターの乗り方に関東と関西スタイルが入り混じっていることについて、現地の京都人が意識していない可能性は大いにあると思う。

特に小学生とか、両刀使いネイティブな可能性すらあるだろう。では京都には右も左も無いのか? 和才によると、そうでもないらしい。


和才「結論を言ってしまうと、京都では大阪と同じく、右に立つのが暗黙のルールです。しかしながら、京都駅や祇園四条などは観光客が多いエリアでして、当然ながら “左立ち” の文化圏から来る人だっています」


和才「観光客エリアに居住している京都人は、あまりにも “左立ち” に接しすぎて、どっちかよくわからん状態になっていることも考えられます。その結果、オリジナルの “右立ち” 文化が少しずつ衰退し、 “左立ち” 文化が浸透しつつある……のかもしれません」


和才「なお、観光客が来ない僕の地元では、100%といっていいくらい右です


とのこと。これはなかなかに核心をついていそうな気がしなくもない。考えてみれば、京都というのは日本国内でも非常に特殊な場所だ。

関西ではあれど、地理的には西と東の境界に近い。国内トップレベルの観光資源を有することを加味すれば、駅や周辺の繁華街こそ東西の人間が全国で一番交じり合う場所な可能性すら、十分あると思う。

本来は関西スタイルだが、局地的に東西のスタイルが入り混じりまくった結果、そこだけどちらのスタイルも同じくらい浸透しており、どちらでもなくなっている……と。十分アリそう。

まあでも結局のところ、その時々で好きな方、あるいは前に倣(なら)えスタイルでOKって感じだろうか?

しかし和才によれば、京都本来のあり方的には関西スタイルなもよう。じゃあ次京都に行ったときに先頭になったら、とりあえず右に立っておこうかな。

執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.