「目は口程に物を言う」とは言ったもので、生き物にとって目は非常に重要なパーツである。輝く目をしている人とそうでない人、あなたはどちらでありたいだろう? 考えるまでも無いハズだ。
だがしかし、私、P.K.サンジュンに近しい1人の男の目が完全に死んでしまった。男の名は あひるねこ──。普段はそれなりにキレイな目をしているのに何があったんだ、ねこちゃん! どうしたら彼の目の輝きを取り戻すことが出来るのだろうか……?
・目の死んだ男
つい先日、ゴールデンウイークが明けて間もないある日のこと。およそ1週間ぶりに出社すると社内に強烈な違和感が。静かなオフィスにカタカタとタイプ音が響く中、ヤツの様子がどうもおかしい。そう、ねこちゃんこと「あひるねこ」である。
あひるねこの体からは力という力が抜けており、デスクに体を沈めてしまっていた。その目は完全に死んでおり、生気が全く感じられない。ひょっとしたら離婚でも切り出されたのか? それとも100万円でも落としたのか? とにかくこいつは重症だ。
・俺が助けてやる
北海道出身で「白夜の貴公子」の異名を持つ あひるねこは、普段から非常にクールな性格の持ち主。一方で私のことが大好きで、何かと「ゴロニャ~ン」と懐いてくるツンデレな一面を持つ。ねこちゃんをどうにかしてやれるのは私しかいない。
サンジュン「HEY、YO。どうしたねこちゃん? 具合でも悪いのかな?」
あひるねこ「……」
サンジュン「ほらほら、俺たちいつも元気なロケニュー記者! 元気出して行こうぜ!!」
あひるねこ「……せぇ……」
サンジュン「ん? どうしたどうしたニャンコロちゃん?」
あひるねこ「……うるせぇ……」
・広い心で
グヌヌ、なんと無礼なキャットであろう? これが一児の父が放つ言葉だろうか? だがしかし、この程度で彼を放置するほど私も心の狭い人間ではない……いや、こんな時こそマザー・テレサのような慈悲の心で彼と向き合わねばならないハズ。私は再度ねこに絡み始めた。
サンジュン「そうだそうだ、その姿勢がよくないな! まずはちゃんと座ろうよ」
あひるねこ「……」
サンジュン「さあ、何があったか話してごらん? 目の前にいるのは君だけのマザー・テレサだよ☆」
あひるねこ「……れ……」
サンジュン「うん? もうちょっと大きな声で話せるかな?」
あひるねこ「……帰れ……」
サンジュン「このガキャァァアアア! いっぺん地獄見せたらァァァアアアアア!!」
ダメだ、マジで今回は重症だ。何があったかは知らないが、ねこは心を完全に閉ざしてしまっている。仮に瀬戸内寂聴が彼のことを諭したとしても、ねこが復活する可能性は極めて低いハズ。一体どうすればええんや……?
・松山英樹しかいない
小1時間考えた結果、思い付いたのは「変身」である。逆説的ではあるが、見た目が変われば心のありようにも変化があるのではないだろうか? そして今のねこちゃんに最もふさわしい変身は、プロゴルファーの「松山英樹」しか考えられない。
2021年4月、ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で日本人選手として初めての優勝を飾った松山英樹選手。いま彼ほど自信に満ち溢れた目の持ち主は日本で……いや、世界的に見てもそう多くはないだろう。
目が完全に死んでしまったあひるねこさえも、松山英樹に変身させればワンチャン復活があるかもしれない。私は自力で歩くのも困難なあひるねこを引きずりながら、原宿へと向かった。
・カリスマ美容師、降臨
やってきたのはロケットニュース24御用達の美容室『SHEA.aoyama』である。カリスマ美容師の佐藤幸治さんにお願いし、あひるねこに “松山英樹カット” を施してもらうことにした。とにかくまずは髪型だけでも松山英樹に寄せようという算段だ。
ぶっちゃけ「松山英樹の髪型」と言われても、ピンと来ない人が多いハズ。正直やや特徴の掴みづらい髪型なので不安はあったが、最後までカリスマ美容師のハサミが止まることはなかった。さすがカリスマ、あひるねこの復活は佐藤さんの腕にかかっている。
やがて──。
そこに現れたあひるねこは……
メッチャ元気やん!
目が生き返ったやん!!
素敵な笑顔やんッッッ!
松山英樹カットを施し、栄光の「グリーンジャケット」を身にまとったあひるねこは、完全に自信を取り戻していた。サンキュー、松山英樹。フォーエバー、松山英樹。まさかの劇的効果にオーダーした私が1番驚いた。
・違和感の正体
だがしかし、冷静にあひるねこを直視した結果、こう言わざるを得ない。
あひるねこやん!
松山英樹じゃないやん!!
散髪しただけやないかッッッ! ……と。
グリーンジャケットを羽織っている間は、ギリ松山英樹っぽい気もしたが、普段着のねこは完全にねこ。松山英樹の風味は皆無であった。正直に申し上げて変身が成功したのかどうかは微妙なラインだ。
・結果オーライ
一方で、あひるねこの死んだ目が輝きを取り戻したことは紛れもない事実。ひょっとしたら「グリーンジャケット単体でも生き返った説」の可能性も否めないが、今回は彼が自信を取り戻しただけでも良しとしよう。松山英樹カット、そしてグリーンジャケット効果は絶大だ。
というわけで、もし「やる気が出ない」「自信が持てない」なんて時には迷わず松山英樹に変身することをオススメする。自信を取り戻したあなたなはきっとこう言うに違いない……「ヒデキ カンゲキ!」と──。
協力:SHEA.aoyama
執筆:P.K.サンジュン
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.