ここ最近、飲むソフトクリーム系ドリンクが次々と発売されている。3月9日にローソンから『飲むソフトクリーム』が、3月16日にはミニストップから『のむソフトクリームバニラ』が、同日にはacure(アキュア)の『贅沢バニラミルク』も……といった具合。

まるで2年前のタピオカブームを彷彿とさせるペースであり、甘いものが好きな私にとっては嬉しい限り。しかしながら、さすがにここまで次々と発売されたら、何が良いのかよく分からない。

そもそも、飲むソフトクリーム系ドリンクというジャンルで味に差があるのかも分からない。どれを選んでも味はほぼ同じという結果だって、十分考えられる。……と思いながらとりあえず飲み比べてみたら、それぞれの味が全然違ったので報告したい。

・最近発売された3種を飲み比べ

まずは、飲み比べた3種を紹介しよう。


・ローソン『町村農場 贅沢 飲むソフトクリーム 180ml』(税込214円)
・ミニストップ『のむソフトクリームバニラ』(税込181円)
・acure『贅沢バニラミルク』(税込140円)


容量に多少の差はあるものの、そこまでではない。ほぼほぼ同じと言っていいだろう。だが価格は結構な差があり、もっとも高いローソンはacureの約1.5倍となる。

ちなみに、acureとはJR東日本の駅ナカの自販機。関東以外にお住まいの方には馴染みがないかも……というか、関東在住でも普段からJRを利用してない人なら知らないかもしれない。


・見た目からして違う

さて、3つを透明のコップに入れて中身を確認したところ、まず気づいたのは見た目からして微妙な違いがあるということ。


商品のイメージ的に白一色かと思いきや、acureの『贅沢バニラミルク』はやや茶色がかっている。バニラミルクというより、エスプレッソ薄めのカフェラテのように見えなくもない。


・飲み比べ

では味はどう違うのだろう。まずは、ローソンの『飲むソフトクリーム』から。いただきます!


はいはいはいはい。これまでに何度も味わっているが、今回もやはり ひと口目からソフトクリーム感がガツンと来る。クリーム4倍はダテじゃない。最初から最後までソフトクリームなので、これぞ「飲むソフトクリームの王道」だ。


・ミニストップ

続きましてはミニストップの『のむソフトクリームバニラ』。コンビニとしてのメジャー度はローソンに劣るかもしれないが、ミニストップのスイーツにはファンが多い。甘いものは、ミニストップにとって得意ジャンルと言っていいだろう。だからこれもきっと……


おぉ〜甘い! 口に入れた瞬間の甘さでは、ローソンより上。ただし、クリーム感はローソンの方が明らかに強い。それゆえに、ローソンの方が「深みのある甘さ」とも言えるし、ミニストップの方が「ポップな甘さ」とも言えそう。


・acure

最後はacureの『贅沢バニラミルク』。こちらだけ缶であり、なおかつ商品名に「飲むソフトクリーム」と入っていない。しかし缶は「飲むソフトクリーム」を想起させるデザインで、公式サイトには「本格的なコクと甘みが “まるで飲むソフトクリーム” と話題になり……」とある。

「飲むソフトクリーム」だと言い切らず、「話題になり」と遠慮がちな表現に留めている点が気になるが、果たして味はどうか。確かめるべく、飲んでみたら……


予想外の口あたりだった。上の2つの印象からドロっとしたものを想像していたのに、これだけ粘度が低いのだ。3つの中でもっともジュースに近い。そして味もあっさり目。良く言えば飲みやすく、悪く言えばソフトクリーム感が薄いといったところか。

甘いかと聞かれたら甘いのだが、上の2つに比べると甘さの面でも深みの面でもパンチが弱い。それも僅差ではなく、結構な差があるように思う。


・異質なほどパンチが弱いものは……

というわけで、タイトルにある「異質なほどパンチが弱いもの」は……



acureの『贅沢バニラミルク』でした〜!


──と結果だけお伝えすると、この商品はマズいと誤解する人がいるかもしれないので補足しておこう。まず、『贅沢バニラミルク』はあくまで上の2つと比べたらパンチが弱いというだけで、これ単体を飲んだら大多数の人が甘いと感じることだろう。


・飲む状況を考えると大正解

それからもう1つ。思い出して欲しい。先に述べたように、acureは駅ナカの自販機。つまり、駅ナカで飲み物を買う人をターゲットにした商品なわけで、ローソンやミニストップとはそのあたりが異なるのだ。


駅ナカ自販機を利用するときの心理状態を想像してみると、「とにかくサッと飲みたい」ってときや「めっちゃ喉が乾いた」ってときが多いだろう。そんな状況で、粘度高めのガチでソフトクリームなヤツが出て来たら……あなたはどうだろう。

人によってはキレるに違いない。よって、acureの『贅沢バニラミルク』が3つの中でパンチが弱いのは、購入場所を考えれば必然。なんなら、弱いパンチは “優しさ” であり、メーカー側が利用者の目線に立った結果とも言えるのではないか。

そのような調整が実を結んだ……のかどうかは知らないが、『贅沢バニラミルク』はリピーター率が相当に高い商品らしい。acureの公式サイトでは、

「2016年に初めて発売し、本格的なコクと甘みが “まるで飲むソフトクリーム” と話題になり、想定の4倍以上もの数量を売り上げたエキナカの人気商品です。

中でもプレーン味はリピーターが多く、売上全体の65%がリピーターによって構成され、スイーツ系飲料カテゴリーにおいて最もリピーターに支持された商品となっています」

──と紹介されている。


・全国で買えるものは?

なお、上の3つのうち全国の店舗で購入できるのは、現時点でミニストップの『のむソフトクリームバニラ』のみだ。ローソンの『飲むソフトクリーム』は関東・北海道・東北エリアではすでに発売されているものの、中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄エリアは4月13日から。

また、acureの『贅沢バニラミルク』はJR東日本のエキナカ自販機の他に、オンラインで買う手もある。だが、その場合は箱買いオンリー。味を知っている人ならば問題ないだろうが、初めての人にとってはなかなかのギャンブルだろう。

箱買いして、もし味が好みじゃなかったら地獄……と思った私は、JRの自販機を探し回り、最終的にJR水道橋駅の “どことなく最新っぽい駅ナカ自販機” で発見した。


ただ、JR東日本・駅ナカ自販機での『贅沢バニラミルク』の普及率はそこまで高くないように思う(2021年3月23日時点)。もし運が悪く、探しても探しても見つからないとなったら……ローソンかミニストップに走る方が手っ取り早い。

2つの「飲むソフトクリーム」のうち、どっちを選ぶかは好み次第だ。深み重視ならローソンで、甘さならミニストップだろうか。どちらを買うにせよ、じっくりと味わう覚悟で、なおかつ喉カラカラのときを避けて楽しむことを強くオススメする。

参考リンク:ミニストップ(PDF)、acure(PDF)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼1本あたりのカロリーとしてはローソン(231kcal)とミニストップ(228kcal)がほぼ同じ。アキュア(138kcal)は、3つの中でダントツでローカロリー!

▼ミニストップの「飲むソフトクリームバニラ」はミニストップのバニラ味をイメージして作ったそうだ