欧米には「ピエロ恐怖症」というのがあるらしいが、笑顔の下の無表情が怖いという本能的恐怖は、文化圏の違う日本人でも共感できる。そのイメージを作るのに一役買ったのが、スティーヴン・キングの小説『IT』であることは疑いようがない。

数年前にはリメイク版映画『IT / イット “それ” が見えたら、終わり』が公開された。絶叫系ホラーにありがちな滑稽(こっけい)さは見えるものの、「閉鎖的な田舎町の暗い歴史」「生理的嫌悪を与えるピエロの動き」「音階の狂ったサーカス音楽」などの不気味さはよく出ていると思う。

このたび同作の主人公にして、邪悪な人喰いピエロ「ペニーワイズ」のガチャガチャが登場したぞ。見ていて気持ち悪いくらいクオリティが高いので、ぜひ共有したい。


・IT PENNYWISE COLLECTION(全4種 / 300円)

販売はタカラトミーアーツ。2021年1月に発売されたばかりの新商品だ。全4種あるうちの3種を手に入れたので、さっそく開封してみよう。

パーツがいくつかに分かれて入っていたので組み立てる。余談だが、パーツの接合部がものすごく固くて、工具を使っている途中でちょっと手を痛めた。“それ” の大好物である「思春期前後の子ども時代」はとっくに過ぎている筆者だが、なにか機嫌を損ねたのだろうか……。床などに押しつけながら、少しずつハメ込むことをオススメする。


そうやって苦労して組み立てると……


ぎぃゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


アイテム名は「IT in the box」。関節をぐにゃぐにゃにしながら、冷蔵庫から出てくるトラウマ級のシーンだ。劇中でのペニーワイズは高速移動や巨大化など人間離れした動きが多く、それがまた不気味なのだが、この卍型の四肢は本当に気持ち悪い。ひと目で「永遠に理解し合えない存在」であることがわかる。

次に出てきたのは「Terror face」。こちらは胸像タイプで組み立て不要。


普段は人間のような白い歯だが、人喰いの時だけ(あるいは威嚇の時だけ)現れる怪物フェイス。階段状になっている歯が、非常に精巧に再現されている。はげ上がった頭や、肌のシワシワ感もすごい。

最後に出たのが「Pennywise」。この商品の目玉アイテムだと思う。組み立てると立像になる。

約10cmのビッグサイズで迫力満点。存在感がありすぎる……!


薄汚れたピエロの衣装。不穏な表情。ゆらりとした立ち姿……


もはや芸術的ですらある。モチーフもいいのだろうが、とにかく造形がすばらしい。そこに存在するだけで雰囲気があるというか……。

ちなみに筆者が入手できなかったのは「Pennywise in the water」。水面から顔を半分出しているペニーワイズで、ぬれた髪がべったりと額(ひたい)に張りついたもの。水没した地下室の、ちょっと胸が悪くなるシーンだ。その子どもが「1番怖いと思っているもの」を見せるペニーワイズだが、目的のためならトラウマに塩をぬることもいとわず、邪悪としかいいようがない。


・かなりオススメ

カプセルトイの世界は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)で、開封だけ楽しんだらあとは見向きもしないアイテムも残念ながらある。しかし “それ” は違う。

パーツの「合い」にはちょっと苦労したが、300円のカプセルトイだということが信じられないくらいクオリティが高く、十分に鑑賞に耐える。目や口なども驚異的な細かさで塗り分けされている。どの角度から見ても「絵になる」フィギュアだ。

筆者の訪れた店舗では結構な人気で、発売から間もないのに残り少なくなっていたので、見かけたらぜひ回してみて欲しい!


参考リンク:株式会社タカラトミーアーツ
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.