2019年9月15日に発売となったある雑誌が話題となっている。宝島社の『素敵なあの人』だ。これまで前身となるムック本が単発で刊行されていたところ、月刊化したという。

出版不況といわれるなか、それだけでも「へー」と思うが、興味深いのは60代向けのファッション誌ということ。60代と言えば、高齢者と言うには若いが「シニアに片足つっこんだ」と表現する人もいる世代。そんな “60代女子” のファッションとは何なのか気になったので読んでみたところ、30代の私が泣いた……!

・60代向けのファッション誌『素敵なあの人』

宝島社の発表によると、60代女性をターゲットにしたファッション誌というのは日本初なのだとか。え、なかったの? ちょっと意外! 同誌の前身にあたるムック本『素敵なあの人の大人服』が3日で重版し5万部を超えたということから見ても、待ち望まれていたことがうかがえる。

・ふろくがオシャレ

さて、宝島社の雑誌と言えば豪華なふろくがつきものだが、『素敵なあの人』も例外ではない。創刊号のふろくはマルチケースで、さすがの一言だ。

親世代を見ていると50代、60代で病院通いが増え、ポーチは診察券でパンパン……マルチケースにはカードサイズのポケットがたくさんついており、オシャレと実用性が見てうかがえる。

・30代がじっくり読んでみた → 泣いた……!

さて読んでみたところ、オシャレな印象。ターゲットを60代としつつも、「ザ・シニア」というわけではなく、下の世代が着ていても全く違和感がないファッションだ。

「痩せ見え」「高見え」だなんて30代のファッション誌でもよく見かけるワード! 縦の線を強調するアクセサリーをつけると良いとか、大胆な柄や存在感のストールを巻くといいとか、30代が読んでもなるほど~というコツも多い。ターゲット層ではないが、さっそく真似して買いに走ってしまった!

そして思ったのだ。「こういう60代、素敵だなぁ……」、そして「年齢を重ねるというのは怖いことではないかも」とも。ちょっと泣けてきた。

・30代が見ても憧れる

体感した人もいるかもしれないが、女性は30才を越えたあたりで「BBA(ババア)扱い」されがち。面倒なので言われる前に「BBAですいません~笑」なんてネタにしてしまうこともあるくらいだ。だが人生100年と言われる今の世、残りの70年を自虐で過ごしてしまって良いものか。あまりにも長い。

さらに、これといったロールモデルもない。もちろん活躍している人もいるが、次元の違う殿上人と言った感じだ。

そんななか、ナチュラルな雰囲気の読者モデル、30代が読んでも必要だと想像できるテクニック、情報はちょっとの工夫で手に届きそうと思わせるものであり、60代が今の自分の延長であることを感じさせてくれる。

すると自然と「あの人、素敵だな」と口をついて出てきたのだった……おっと、雑誌名のワードが出てきましたよ! 初めて手にとったときは「なぜこの名前に?」と思ったが、じっくり読んでみるとストンと胸に落ちたのだった。

・ちょっとの工夫で手に届く素敵な60代

無敵の10代20代には終わりがある。でも絶望することはない。『素敵なあの人』は、その先をどう生きたいか明るい気持ちで考えさせてくれそうだ。……と、すっかり30代目線で語ってしまったが、実際に60代と一緒に雑誌を読んでみたところ。


「みんなスタイルいいわね~。着たい服がたくさんあったわよ。靴もみんな素敵。買える値段なのがいいわね、無印良品のもあるのね」


と話していた。誌面にあるのはファンタジーではなく、ちょっとの工夫で手に届く素敵な60代、そう感じたのは間違いではなかったようだ。

参考リンク:宝島社プレスリリース(PDF)
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24

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