2018年6月、斬新すぎるノンアルコール飲料が爆誕すると話題に! 以前の記事でもお伝えしたサントリー『オールフリー オールタイム』だ。

「職場でも気兼ねなく飲用できるよう」「会議中に」などとうたわれており、「マジかよ!?」と思った人も多いかもしれない。でも実際に職場でのノンアル飲用はどうなのだろう? 現場の判断は、アリなのか、ナシなのか。ノンアルコール飲料をめぐって、職場で面倒なことになってしまった女性が話を聞かせてくれた。

トラブル……とまでは言えないかもしれないが、ちょっと面倒事になってしまったというのは、さおりんさん(20代後半・女性)だ。休憩時間にノンアルコール飲料を飲んでいたところ、上司から呼び出されてしまったそう。


──職場でノンアルコール飲料を飲んで怒られた……どういう状況だったんでしょう?

さおりん「1回だけなんですけど……“初犯” で即怒られました。あの日、職場ですごく理不尽なことがあったんですよ。もう仕事に身が入らないレベルで。

で、どうしても気持ちをリセットしたくて、プラシーボ効果でも何でもいいやって思って、昼休みにドラッグストアでノンアルコールのチューハイを買ったんですね。アルコール0.00%とかのヤツだったと思います。公園でガーッってイッキ飲みしました。

確か裏に “清涼飲料” って書いていて、“コーラみたいなものじゃん(笑)何やってるんだろ” って思ったのを覚えています。でも、飲むとちょっと気持ちも落ち着いてきて、午後からいつも通り仕事に臨めました。そこまでは良かったんですけど……

誰かに見られてたみたいなんです。その日のうちに上司に呼び出されました」


──そうなんですか! 勤務中にお酒を飲んでいたと勘違いされたと?

さおりん「だと思います。謝って、ただ飲んでいたのはノンアルコールだった、ジュースみたいなものですと説明したのですが、“そんな問題じゃない!” って怒られちゃいました(笑)

風紀がナンチャラとか、常識がどうこうとか言ってましたけど、パワハラもセクハラも見て見ぬフリなのに、ここはこだわるんだ、風紀とか常識って何だよってグッタリですよ(笑)」


──上司の方も引っ込みがつかなくなったのかもしれませんね……

さおりん「そうですね。私はアルコールを飲んだわけじゃないし、商品的にも “清涼飲料” 扱いのはず。理屈としては私が正しいと思ってますけど、ノンアルでもお酒っぽいパッケージじゃないですか? 誤解させたのはマズかったと思います。

一応気をつかって外で飲みましたけど、そこまで気が回らなかったのは失敗でした。それほどキツイ状況だった……というのは言い訳にしかなりませんけど」

さおりん「もうね、オシャレなタンブラーとかに入れ替えておいたら良かったって思いますよ! それだったら社内で飲んでても平気だったのかも(笑)」


その後、さおりんさんは「とにかく次から注意するように」と言われ、解放されたとのこと。具体的な処分はなく、翌日以降、上司の態度も変わらなかったというが、「失敗したなぁ」という思いが残ったという。

私(沢井)もノンアルコール飲料をよく飲むのだが、缶を見てみると確かに商品名には「炭酸飲料」などと表記されている。もちろん飲んでも飲酒には当たらず、当然、酔うこともないので、「酔い」という点では仕事に支障をきたすこともない。

休憩時間のコーヒーやジュースはOKなのに、ノンアルコール飲料だと何が問題になってしまうのだろうか。いち社員としては、さおりんさんの肩を持ちたくなるが、管理職サイドはどう思っているのだろう。ということで、筆者の上司である当編集部のGO羽鳥に意見を求めてみたところ……


羽鳥「そうだな、まぁ、アリでもないしナシでもない。その飲料が仕事をするうえで自分の活力になるのであれば、「飲みたいものを飲め」という感じだな。アルコールも入ってないし、好きにしろというのが正直なところだ。

でもこの世の中、うっせーやつもいるから、缶のまま飲まないほうが良いかもな。どうしても飲みたいならコップに入れて飲むとか、そのへんの「まわりへの気遣い」は必要なのではないかと思う。

誤解を招くようなものを飲むわけだから、誤解を生まないようにするための努力と言うか気遣いだ。誤解=無駄だからな。タバコにたとえるなら、大麻の香りのするタバコを吸うようなものよ。

そんなタバコを吸うんだから、お香を炊いたり、空気清浄機を回したり、いろんな努力が必要だよな。ノンアルだってニオイはするから、そのへんの配慮も必要かもしれないな。

アリナシがグレーなモノを嗜む時は、それ相当の気配りが必要。その心遣いができないようなやつ、つまり開き直るようなやつは、なにしてもダメなヤツだ。オレなら怒るどころかクビにするかもな」


……クビ! 過去にロケットニュースには「うまく文章が書けなくなった時は『酒を飲むとイイ』」なんて記事もあったので、正直、「うちの職場は大丈夫そう~」と思っていたが、まさかのクビ発言に震えてしまった。

ノンアルコール飲料はアルコールではないので、多くの職場の社則には触れないと思われるが、周囲の反応というのは怖いものだ。杓子定規で「だってジュースと同じでしょ!?」と主張していると自分の方が危うくなってしまうかも?

もし上司と良い関係を築いているのなら……「最近こんなノンアル商品が出るって話題ですけど、ウチの職場ってアリなんですかね」と思い切って聞いてみてもいいかもしれない。職場でのノンアル、あなたはどう思われるだろうか?

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.