美しさとは何か? キラキラした宝石、または壮大な景色など、美しさにも色んな種類があるが、私(中澤)は達人の技にこそ美しさを感じる。例えば居合抜き。本来は切ることが目的だが、極めれば極めるほどによどみのない動きは美しさを増す。

そんな美しさを立ち食いそば屋で見ることになろうとは。輝く麺! 絹のようになめらかな舌触り!! このそば屋、できる

・昼時行列のそば屋

ひと口目からそんな直感に見舞われたのは、都営新宿線馬喰横山駅から徒歩数分の立ち食いそば屋『あり賀せいろう』でのこと。日本橋を歩いていると、昼時、行列ができていたため気になったのである。

店内はカウンターのみ。どうやら、食券を購入して渡してから外で並ぶ形式のようだ。さっそく、「春菊天そば(税込430円)」の食券をカウンターに渡す。

・すぐに出てくるそば

しばらく待っていると「春菊天そばのお客様~」と店内から呼ぶ声。空いている席に座ると、すぐに春菊天そばが出てきた。

衣薄めで青々としげる春菊天に食欲がそそられる。まずは、春菊天を食べてみると、「サクッ!」とした食感の後に「じゅわぁ……」と広がる豊かな苦み。158回立ち食いそば放浪記を続けてきたが、これまで食べた春菊天の中でかなり上位のレベルだ。

・輝く細麺

とは言え、天ぷらは天ぷら。トッピングがいくらウマかろうが、麺が伸びてたりしたら目も当てられない。そこで、麺を持ち上げてみると素麺のような細麺で輝くようなそば。食べてみたところ……

スベッスベや! そばに唇や舌が触れただけですでに感じる絹のような触り心地。スルスル口の中に侵入してくる感触に噛まずとも悟る。このそば、レベルが違う。

噛むと歯切れが良く、コクある醤油味とそばの風味が口の中でさく裂した! のど越しも最高すぎんだろうがよォォォオオオ

飲み下す前にかき込む!! もはやそばの方から口に飛び込んでくるレベル。スルスル~と入っていく! スルスル~と入っていく!!

・達人の技

気づけばつゆまで飲み干してしまっていた。ひと口目ですでに悟ったことだったが、食べ終わって我に返ると改めて思う。「できる!」と。

見た目も美しいが食べるとさらに段違いの『あり賀せいろう』。そば激戦区の日本橋において最強クラスの細麺と言っても過言ではないだろう。馬喰横山に達人の技を見た。

・今回紹介した店舗の情報

店名 あり賀せいろう
住所 東京都中央区日本橋富沢町14-4
営業時間 平日7:30~20:00 / 土8:00~14:00
定休日 日・祝日・毎月第1第3土曜

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.