咲き始めた桜も震えるような今日この頃。もうすぐ春だが、いまだに肌寒さが残っている。こんな日は温かいそばでも食べて暖を取りたいものだ。

そこで昼時にそば屋を探していると、路地裏で店頭に立って声を出している立ち食いそば屋を発見。これが体だけでなく心まで温めてくれるような店だったためお伝えしたい。

・曙橋の路地裏

私(中澤)が歩いていたのは、職場がある新宿三丁目近くの曙橋の辺り。都会のイメージが強い新宿区だが、曙橋は商店街もあり、どちらかと言うと和やかで住みやすそうな雰囲気が漂っている。

声出しをしていたそば屋の名前は『曙』。どうやら弁当を売っているようだが、客引きというよりは協力して盛り上げているようなアットホームなニュアンスを感じた。

・ホームドラマに出てきそう

入店すると、店内はカウンターのみで6人食べられるかどうかくらい。ほぼ満席だが、端が1人分くらい開いていたため、「特選かき揚げ天(税込150円)」と「温 そば(税込350円)」の食券を購入してカウンターの端につく。それにしても……店員さん多くね

カウンターの中には男性2人に若い女性が1人。外で弁当売ってる人が2人いたので、客とほぼ1対1くらいの人数だ。しかも、老若男女いるためホームドラマに出てくる大衆食堂みたいな活気がある。『渡る世間は鬼ばかり』の「幸楽」みたい。

そう思いながら店内を見回していると、高嶋政伸さんのサインとテレビ朝日のドラマ『ハゲタカ』の集合写真が飾られているのを発見。ガチでドラマに出てた……。と、その時、そばが到着した。

・天ぷらは個性派

どうやら、注文後にそばを茹で天ぷらを揚げている様子。天ぷらを食べてみると、サクッと軽さのある食感が嬉しい。タネは、ネギやかまぼこ、小エビと個性派。「特選」の由来かもしれない。

・優しいつゆ

あっという間につゆを吸ってふわっとそばに広がる天ぷら。そこでつゆを飲んでみると……

かなり甘みが強い。その甘みはおそらく都内最高クラスだ。角がまったくない。醤油が四角ならこのつゆは円である。

とは言え、決してそばつゆを外れる味ではないのが不思議なところだ。そんなつゆが良く染みる細麺もまた優しい味。とても優しく温かいそばだ。そう、この店が醸し出す雰囲気のように

明け方を意味する『曙』。まさに夜が明けるように、じんわりと心まで温めてくれる立ち食いそば屋だった。これぞ、人情の味。曙橋に朝日を見た。

・今回紹介した店舗の情報

店名 曙
住所 東京都新宿区住吉町6-12
営業時間 月~金7:00~20:00 / 土11:00~15:00
定休日 日曜・祝日

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

日本、〒162-0065 東京都新宿区住吉町6−12