「イギリス=メシマズ」というのは世界的な常識らしい。個人的には、マズイというか「ダイナミックすぎて味わい方がわからない」気がする。いずれにせよ、中華やフランス料理、トルコ料理などの足元には及ばないことになっている。
だがしかし! イギリスにだってウマいものはある。それは、「キューカンバーサンドイッチ(Cucumber Sandwich)」。つまりキュウリのサンドイッチである。これは英国貴族もマジで溺愛! めちゃくちゃシンプルだが驚くほどウマいのだ!!
・英国式キュウリのサンドイッチ
このキュウリのサンドイッチは、正確には “メシ” ではなく、アフタヌーンティーの際に紅茶と一緒にいただく軽食だ。スコーンとかああいうヤツのお友達である。
さて、今では「栄養がない」だとか「味がしない」と酷評されるキュウリも、19世紀イギリスでは手に入りづらく、超が超超超つくほどの高級食材だったそう。というわけで、キュウリを食べられることはステータスであり、キュウリサンドは貴族に愛されていたのだとか。
当時を舞台にした映画や小説で貴族たちが「キュウリ、キュウリ」と騒いでいるのを見たことがある人もいるだろう。そんなスゴイものなら食べてみたい! 作り方は以下のとおりだ。
【材料】
・サンドイッチ用のパン:4枚
・キュウリ:2/3~1本
・バター:適量
・ワインビネガー:適量
・コショウ(お好みで)
【作り方】
1.バターを室温に戻しておく。
2.キュウリの皮をむいて、向こう側が見えるくらい薄く輪切りにする。
3.キュウリをボウルに移し、キュウリがひたるくらいにワインビネガーを入れて30分ほど置く。
4.30分後、キッチンペーパーなどを使ってキュウリの水分を切る。
5.パンにバターを塗り、キュウリを並べる。2層くらいにすると良し。
6.バターを塗ったパンを上かのせてはさみ、食べやすい大きさにカットして完成!
・ウマすぎィィィッ!!
ワインビネガーにひたすというのは、少し意外だったが、それ以外は不安になるほどのシンプルさだ。だってキュウリだけだよ!? いや……しかし、ここは英国貴族の舌を信じたい。ひとつつまんでみると……デリシャース!! 驚くほどにウマかった!
スッキリした酸味がきいたキュウリ、そしてまろやかなバターがシュワシュワッとお口のなかで渾然一体となっていく。まるでサワークリームを塗ったパンを食べているようなのだ。
あくまで軽やかでサッパリ。ついパクパク食べてしまう危険性はあるが、紅茶という主役を邪魔することはない。ダージリンなど香りの強い紅茶とメッチャ合いそうだ。当時の貴族が熱狂したのも「高級食材だから」だけではないはず。マジのマジで美味しいサンドイッチだった。
・今でも人気なの?
キュウリサンドイッチ、これは完全に隠し玉だったなぁ。そこで今でも変わらぬ人気なのか、現代イギリス紳士に聞いてみたところ……
「昔にはちょっとお洒落なものでしたかもしれないが、最近の人たちはそんなに好きじゃないと思う。キュウリは軽いものですし、カロリーが少ないから、貴婦人たちは気に入ったかもしれない」
さらに現代イギリス人は、「お肉&野菜モリモリなサンドイッチの方が好きかも……」とのことだった。そうなのかー。とはいえ、今でも正式なアフタヌーンティーでは登場するといわれるキュウリサンド。サッパリして食べやすいので、バテがちな日本の夏にもオススメだ!!
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼シンプルだけどおいC-!!
▼クリームチーズを挟むとよりまろやかになるよ!
▼英国貴族ごっこもはかどる