私は普段、AIをかなり使っている。


主に使っているのは、OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaude、そしてGoogleのGeminiだ。


正直に言うと、Geminiについては最初から「ちょっとアホだな」と思っていた。なのでこれまでは、画像生成や画像加工くらいにしか使っていなかった。


ところが最近、ふと思ったのである。


Google製なんだから、GoogleカレンダーやGoogle ToDoリストと連携させたら、完璧な秘書になるのではないか──と。


GoogleはカレンダーもメールもToDoも持っている。情報量だけならOpenAIやAnthropicを圧倒している。これは試してみる価値がある。そう思い、私は本気でGemini秘書化計画をスタートさせた。

・AI秘書プロジェクト

まず行ったのはGoogleカレンダーの整理だ。


プライベート用と会社用、2つのGoogleアカウントを使っているのだが、予定がかなり混在していた。そこで徹底的に整理し、iPhoneのリマインダーもやめてGoogle ToDoリストへ移行。予定もタスクも全てGoogleに集約した。


これでGeminiは、私のスケジュールもやるべきことも完全に把握できるはずだ。


さらに、これまでChatGPTにお願いしていた体重管理も任せることにした。身長・体重・運動内容・普段食べているもの・家にある食材まで細かく教え込み、「毎朝、体重測定のスクリーンショットを送ったら、その日の予定を見て朝昼夕の献立を提案する」というプロンプトまで用意した。


準備は完璧だった。──はずだった。


・日に日に話が通じなくなる秘書

初日は良かった。


入社初日なので多少ポンコツでも許せる。


「新人だしな」


と私は思っていた。


しかし3日後には、


「あれ?」


となった。


5日後には、


「お前、昨日の話覚えてる?」


となった。


そして1週間後、


私は解雇通知を出していた。


原因を一言で言うなら、


とにかく忘れる。


これに尽きる。


私が指示したことを、ことごとく忘れていくのだ。体重管理用の秘書として採用したはずなのに、数日後には私が何を頼んでいたのか把握していない。もはや秘書ではない。昨日入社した新人アルバイトである。


私が体重のスクリーンショットを送ると、本来なら「今日はポールダンスの練習があるので昼はこれ、夜はこれにしましょう」くらい言ってほしい。しかし返ってくるのは、


「順調ですね! 頑張っていますね!」


みたいな励ましだけ。


違う。そうじゃない。


応援団長を雇った覚えはない。献立を考えてほしいのだ。



・パーソナルトレーナーとしてもポンコツ

しかも「このメニューの中から選んでください」と献立の候補まで渡しているのに、


「今朝はカルビクッパがおすすめです」


「昼食はキムチチゲを食べましょう」


とか突拍子も無いことを言い出す。


どっから出てきたんだキムチチゲ。


この忙しい朝に誰が作るんだ。


朝からキムチチゲを食べてキックボクシングのコンディションを整える人がいたら、一度お会いしてみたい。


極めつけは、カレンダーをまったく見ていないことだ。


実際にGeminiにはGoogleカレンダーへのアクセスも許可し、Google ToDoとも連携済みだった。


私はてっきり、


「今日は9時からキックボクシング、午後はポールダンスですね。昼はこれにしましょう」


くらい言うものだと思っていた。


しかし現実は違った。


最初こそカレンダーを参照してくれていたが、数日経つと態度は一変。


何度「予定を見て判断してくれ」と言っても見ない。


見ているフリすらしない。


どうやら私のことを毎日家でゴロゴロしている暇人だと思っているらしく、ポールダンスの練習が5時間入っていようが、仕事が詰まっていようが、お構いなし。


こんな秘書いるか。


結局私は、使用開始からわずか1週間でGeminiをクビにした。


試用期間中の解雇である。


そしてChatGPTに戻った。


私が使う範囲では、ChatGPTはかなり前に教えたことまで覚えているし、私の環境だとGoogleカレンダーとの連携もできた。


都度指示は必要だが、それでも「だったら最初からChatGPTでよかったじゃないか」という結論に落ち着いた。



・Googleの未来

一時期の私は、


「GoogleはカレンダーもメールもToDoも握っている。次は秘書AIを狙っているな」


「Googleの将来は安泰だな」


などと思っていた。


だが今回、実際に使ってみて考えが変わった。


Googleは情報を山ほど持っている。


しかし、その情報を活用できているようには見えなかった。


私の予定を見ない。


私の指示を忘れる。


私の食材を無視する。


もはや秘書ではなく、たまに思い出したように励ましてくれる親戚のおじさんである。


もちろん、私の使い方が悪かった可能性もある。


だが少なくとも、私の秘書にはなれなかった。


1週間、本気で秘書として使ってみた感想はひとつだ。


Googleよ、本当に大丈夫か。


そして私は今、Googleの終焉を感じずにはいられない。


参考リンク:Google「Gemini」
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24