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『ミシュランガイド京都・大阪2016』に関西人のソウルフード “たこ焼き” が11店舗、掲載されたことはこれまで数回にわたって紹介してきた。

今回取り上げるのも、同じくミシュランガイドに掲載された『うまい屋』だ。さっそく食べに行ってみたところ、実直に味を守ってきたことが感じられる、シンプルが故にうま過ぎるたこ焼きが味わえた。これは一度ならず二度も三度も、何度でも食べたくなる味だ! 間違いないぜ!!

・うまさの秘訣は「出汁の二回流し」

日本一長い商店街 “天神橋筋商店街” と東西に交わる天五中崎通商店街、通称 “おいでやす通り” の入り口にある『うまい屋』。 パッと見ただけでも「昔ながらのたこ焼き屋さんっぽいなあ~」と感じられる店構えだ。看板が、ほかのどのたこ焼き屋よりも歴史を感じさせる。

それもそのはず、創業は昭和28年(1953年)。途中、火事で全焼したりといったアクシデントがありながらも、乗り越えて今までたこ焼きを貫き通して来た老舗中の老舗なのだ。メニューもシンプルで1種類のみ。地元の人がたくさん買いに来るのだろう、8~40個までの金額が表示されていた。

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特徴と美味しさの秘訣は、ズバリ焼き方! その名も「出汁の二回流し」だ!! 生地を流し込んでたこ焼きのベースを作り、それを一度ひっくり返す。ここまでは普通のたこ焼き作りと一緒。でもここで終わらないのが『うまい屋』のたこ焼きが旨い所以(ゆえん)。

なんと……奇麗に形ができ上がっているたこ焼きの上に、もう一度出汁を流すのだ。この出汁の二回流しこそが、たこ焼きの “カリッ” が生まれる理由なんだとか。から揚げを二度揚げすると、より一層カリカリっとして美味しくなるアレと同じ要領に違いない。

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・シンプルイズベスト 飾らなさが魅力のたこ焼き

『うまい屋』の最大の魅力は、 “飾らないところ──” だろう。大阪は日本有数の観光地であるから、観光客の舌を楽しませるための工夫をする飲食店は多い。それは当然そうして然るべきだと思う。でも同店は、それよりも今まで守り続けてきたものを大事にしているという印象を受けた。

味にもそうしたスタイルが表れていて、とてもシンプル。素朴……と言うと少し聞こえが悪いかもしれないが、素材のあるがままを本当に大事にした、ほっこりできる落ち着く味だった。立ち止まってゆっくりしたい時に最適の、優しさあふれるたこ焼き。

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ベストな食べ方は、なにも付けないこと。そのものの味を楽しむのがツウだ。ただ、当然ながらソースを付けても美味しい。店内で食べる場合は、ソースなしを頼んでおいて後からテーブルに置いてあるソースを好みでかけることも可能。どちらも味わいたい人は、店内の飲食スペースで食べることをオススメする。

パリッとした表面に、トロッとして生姜の効いた中身。じわ~っと体中に染み渡るぞ! 店員さんたちも、とても気さくで一生懸命。みんなで頑張って店を支えているんだな……というのがうかがえた。

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胃に優しいたこ焼きを食べたいのなら間違いなくココ、観光っぽい場所じゃなくて地元の人が愛してやまないたこ焼きを人に紹介したい時にもココ。これまで紹介してきた、たこ焼き店と同様、『うまい屋』もミシュランガイドに掲載されたのが超納得できる名店だぞ!

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 うまい屋
住所 大阪府大阪市北区浪花町4-21
時間 11:30~19:00(売り切れ次第終了)
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼さすがの風格を感じさせる看板

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▼たくさん買って帰る人も多いのだろう 40個までの金額が表示されている

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▼舟皿に入れてくれるのが嬉しい

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▼外はパリッ中はトロッ

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▼シンプルさが染みる『うまい屋』のたこ焼き

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