
違法薬物にドラッグディーラー、マフィアとくれば、必ずセットで付いてくるのが麻薬取締官である。そして刑事に捜査官とくれば、相棒との “バディ” な関係は必ず語られる要素である。
そこで、今回の『ブレイキング・バッド』あの人の素顔に迫る! シリーズでは、主役ウォルターの義弟で麻薬取締官ハンクの相棒、スティーブン・“ゴミー”・ゴメス役を演じたスティーヴン・マイケル・ケサダをピックアップすることにした。
・ゴメスは主要人物を浮き彫りにするキー・パーソン
本作の、崖っぷちを歩いているようなギリギリで緊張感あふれる感覚は、なんといってもウォルターが精製するスーパードラッグ “ブルーメス” を捜査するのが、彼の義弟ハンクという設定だ。
血はつながっていないが、癌(がん)を宣告されたウォルターを家族として心から支えるハンクは、まさかブルーメスを精製しているのが、気弱で真面目な義兄だとは思いもよらない。そして、執拗にブルーメスの出所を捜査するハンクをサポートする相棒ゴメスは、ハンクとウォルターの関係を浮き彫りにするうえで重要な役割を担っている。
・全シリーズに登場したサブキャラクターの一人
先日、ウォルターの相棒ジェシーがストリートでどの立ち位置にいたかを語るうえで、スキニー・ピートの存在は欠かせないと紹介した。ゴメスも同様で、相棒&親友としてハンクと交わす取りとめのない会話やひやかし合いから、ハンクがどんな人物であるかが伺えるのだ。
本にしても映画にしても、サブキャラクターをうまく使って主要人物を丹念に練り上げた作品には秀作が多い。ジェシーとハンクというメインキャラを支えるスキニー・ピートとゴメスは、ストーリーを進めるコマとして不可欠な存在ゆえに、全シリーズに登場しているのも納得だ。また、主要人物全員と出演シーンがある脇役は、ゴメスだけである。
・生粋のアルバカーキっ子
少し見方を変えれば、本作の舞台となったニューメキシコ州アルバカーキも主役の一人だと言える。決して既成のスタジオからは伝わらない閑散とした情景や乾いた空気は、アルバカーキでロケを敢行したからこそ伝わる要素だからだ。そしてスティーヴンは、生粋のアルバカーキっ子なのだ。
南米系移民が多く住み、スペイン語が話せて当たり前なアルバカーキを拠点として活動するスティーヴンは、ヒスパニック系でもちろんスペイン語もペラペラ。スペイン語が全く話せないハンクに代わって通訳を務めるシーンがあったが、その点でハンクは引け目を感じて、男のプライドを揺さ振られていたようだ。そんな事実も、またハンクという人物像を物語っている。
・元はスタンダップコメディアン
俳優として数多くの作品に出演しているスティーヴンだが、元は南西部を拠点とするスタンダップ(コント)コメディアン。ラテン系のコメディ賞を多数受賞したこともある、筋金入りのエンターテイナーだ。コメディアンとして成功しながらも、ハリウッドへは移らずニューメキシコ州を離れなかったことから、彼のスパニッシュ・コミュニティへのこだわりを感じる。
・ゴメス役のイメージにドンピシャだった!!
そんな彼が、アルバカーキで行われた『ブレイキング・バッド』のゴメス役のオーディションを受けたことで、本作に出演することに。クリエイターのヴィンス・ギリガンが求めていたゴメス役のイメージにドンピシャだった彼は、「ゴメス役は君にキマリだ!」と返事を貰い、その場で合格!!
スティーヴンは、今までスタンダップコメディのツアーで家を空けることが多かったため、家族は本作の出演に大喜びだったそうだ。
以前、悪徳弁護士ソウル・グッドマンを主役に据え、『ブレイキング・バッド』の前編を描くスピンオフ版『Better Call Saul』について紹介したが、さっそく筆者は第1話を視聴した。“フィクサー” のマイク・エルマントラウトが登場することは知っていたが、オリジナルに登場した “あのキャラ” もエピソードの最後に顔を出し、 「え~!!!」 と思わず声を上げてしまった。
ネタバレになるので言わないが、彼が出てきたのなら、ゴメスや他のキャラクターも登場する可能性は十分あるのではないだろうか。今後、ストーリーがどのように展開するのか楽しみで仕方がない。
参照元:IMDb、Breaking Bad Wiki、AMC(英語)
執筆:Nekolas
イラスト:マミヤ狂四郎
▼ゴメスの登場シーンを集めたトリビュート動画はこちら
▼スタンダップコメディを披露しているスティーヴンの動画
▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編
▼ぬりえもあるぞ!
Nekolas

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