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2015年1月30日、東京お台場のイベントスペースである東京カルチャーカルチャーで、「みんなの経済新聞presents第1回小ネタ大会議 大新年会2015」が行われた。私(佐藤)も出演者のひとりとしてお招きいただき、2014年に公開した記事から小ネタを紹介させていただいた。

小ネタを披露したのは、私をはじめとする4人のライター。私はそのなかでも一番若輩ではなかったかと思う。他の皆さんは各方面で活躍する実力派ライターであり、皆さんの披露されたネタは大変勉強になった。「小ネタ」と一言でいってもその定義はあいまいであり、あらゆるジャンルを包含している。しかしながら、確実に言えることは、ライターの姿勢が如実に垣間見えるということだ。

・タモリ倶楽部でお馴染みの渡辺氏も参加

今回はみんなの経済新聞の主催である。登壇したのはプレゼンターとなる4人のライターのほかに、銀座経済新聞編集長岡村信一氏、シブヤ経済新聞の西樹氏、品川および和歌山経済新聞の宮脇淳氏、イベントプロデューサーのテリー植田氏。

そして急きょ出演が決定した渡辺祐(たすく)氏である。渡辺氏は長寿バラエティ番組「タモリ倶楽部」で、拝見したことがあったのだが、まさかご本人にお会いできる日が来るとは。しかもその渡辺氏の前でプレゼンすることになるとは思ってもみなかった。

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・なぜかカントリーマアムをアツく語る

そしてプレゼンするライターは、長年コラムニストとして活躍されている石原壮一郎氏。Exiteコネタで有名なやきそばかおる氏。デイリーポータルZの有名ライターのひとり、石原たきび氏である。これらの強烈な出演陣のなかで、私はカントリーマアムへの思いをアツく語った次第だ。

一体なぜ、カントリーマアムについてアツく語ることになったのか、私にもわからない。出番の冒頭でその話題を振ってしまったために、最後の最後までそれを引っ張ることになった。はっきり言って事故だ。

・怒涛のうどん愛

しかしながら、それぞれのライターの皆さんは私のカントリーマアム愛には遠く及ばないほど、偏った愛情を取材対象に向けているのはたしかだ。たとえば石原壮一郎氏は伊勢うどん大使である。持ち時間をフルに使ってひたすら伊勢うどんの話をし続けた。

さすがに伊勢うどんの話に終始しすぎていたため、「別の話題はないですか?」と振られると、今度はさぬきうどんの話をし始めたのである。ブレない! さすがだ。コラムニストのパイオニアだけある。しかし、途中で「(伊勢うどん大使の)退き際がわからない」とこぼされた際には、笑いを禁じえなかった。

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・マニアにマニアな視線

そしてやきそばかおる氏は、超絶マニアックな人物への注目度合いがハンパではない。たとえば、アマゾンの箱を全種類集めるというサイトウさんを発掘した眼力。そして、変な名前の岩ばかり撮影する坂口さんを発掘したその眼力。マニアな人間に対してマニアックな視線を注ぎ続けるその力は、偏重な趣向への愛あるまなざしである。

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・酒好きは挙動でわかる

最後に石原たきび氏は、自らが愛するお酒の話題とともに、酒を介して出会った人やものの小ネタを伝えていた。たきび氏のお話から、ただの酒好きではなく、生粋の酒好きであることがひしひしと伝わってくる。私が一番驚いたのは、イベント終演後のことだ。楽屋で乾杯をして退出するその瞬間、私は残ったビールがもったいなくて、一口あおったのである。

たきび氏は私のその行動を見逃さず、「相当お酒好きですよね」とポツリとつぶやいた。自らも酒好きであるがゆえ、ささやかな行動を見ていたのである。

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・事実がある

今回紹介されたネタは、そもそも小ネタなのだろうか? 考えようによっては大ネタである。私が紹介させていただいた「iPhone6行列」に関しては、決して小さくはない。では何をもって小ネタとするか。このことについてシブヤ経済新聞の西氏が、とても素晴らしい言葉でまとめていた。

「何が小ネタかってのもあると思うですけど、明らかな事実がある。ライターが見聞きした事実がある。今回紹介されたものがすべて事実であることが素晴らしいと思います」と。

・小ネタは宇宙だ!

たしかに、ジャンルや表現は違うけれども、そこにある事実を小ネタという切り口で伝えることが面白いのではないだろうか。今回出演者として参加させていただいたのだが、本当に勉強になり、普段は知ることのできない世界を垣間見た気がした。

次回は春頃開催予定とのこと。今回参加できなかった人は、ぜひチェックしていただきたい。言葉としての「小ネタ」は小さく感じるのだが、その向こう側には驚くような宇宙が広がっているぞ。

特にライターを志す人は、参加した方が良いと思う。私はさておき、石原壮一郎氏・やきそばかおる氏・石原たきび氏の洞察は本当に勉強になる。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnew24

▼なぜか私(佐藤)は、アツくカントリーマアムについて語ってしまった。まあ好きだけど……
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