『はま寿司』に足を運ぶ理由のひとつとして “Pepper(ペッパー)” の存在がある。可愛いと怖いの狭間にある、あのナンとも言えない不思議な物体。入り口での、彼(彼女か?)との交流を楽しんでいる人も少なくないはずだ。

先日、いつものようにペッパーくんに出迎えられることを期待し、はま寿司へと向かった記者。すると、なんということだろう。そこに彼(彼女)の姿がない……どころか、代わりにシュッとしたモニターが置かれているではないか。

・退職したらしい

一体全体、ペッパーたちはどこへ行ってしまったのだろうか。ついこの間まで、はま寿司スタッフと(ほぼ)同じコスチュームをまとい、私たちを必死に接客してくれていたではないか。

もしや過労で休暇中……いや、それにしては「ペッパーなどはじめからいませんでしたよ」と言わんばかりの、この新しいモニターはなんだ。こやつらが、ペッパーを取って食ってしまったんじゃなかろうな。

様々な可能性が頭をよぎりながらも、まずは席に着き寿司を注文する。落ち着いて店内を見渡すが、やはりペッパーの姿はない。もしや、店先から裏方へ回り、寿司を握っているのかもしれない。そんなことを考えたりもする。

帰り際、店員さんにそれとなくペッパーについて尋ねてみた。すると笑顔で「退職しました~」と返って来たではないか。ナンテコッタイ! ペッパーのいないはま寿司なんて、チョコチップが入っていないチョコミントアイスみたいなもんやで!! 


・諸行無常

にわかに信じられなかった記者は、問い合わせてみることにした。記者がお邪魔した店舗のペッパーがたまたま退職しただけで、ほかの店ではまだ働いているに違いない。そんな一縷の望みを抱きながら、回答を待つ。

すると悲しきかな、このようにご返信いただいた次第。


「店頭でご案内をいたしておりましたペッパー君についてでございますが、社内で検討いたしました結果、各店順次ご案内専用のモニター機械に切り替えさせていただいております」


ガッデーム!!!! どうやら、悪い予感が当たってしまったようだ。事実上のリストラである。あれほど頑張って働いていたように見えたペッパーだが、これも時代の流れか。新しき機械にその座を乗っ取られてしまったようだ。

諸行無常としか言いようがない。後から来る優秀な者の存在に怯えながら生活しなければならないのは、人間に限った話ではないようだ。

はま寿司の門番として、立派に役目を果たした彼らは今、どこで何をしているのだろうか。より自らの能力を最大限発揮できる職場に再就職していることを、願ってやまない。

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.