通勤前や帰宅前にツルっと一杯! そんな感じで道すがら食べることの多い駅そばは、割とスピード勝負の世界だ。そのため、クオリティーは二の次になっている店もあるが、超スピード勝負の立地でありながらもハイクオリティーなそばを提供し続ける駅そばがある。

ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。訪れたのはJR山手線のターミナルステーション・池袋だ。朝から晩まで人の洪水のような東口……そんな場所にあって、輝くような田舎そばを提供し続ける店をご紹介したい。

・東口徒歩3秒

その店の名は『乱切りそば あずみ』という。おそらく、普段から池袋東口を使う人は、入ったことはなくとも知っているのではないだろうか。西武百貨店のビル沿いに歩くと、パルコ方面に入る道の直前のテナントに入っているそば屋である。

仕事帰りの一杯には最適なこのそば屋。店内は7人ほどの立ち食いスペースである。さっそく、以前から気になっていた新メニュー「親子天そば(税込540円)」を注文してみると、速攻で出てくるそば。あまりの早さにしばらく自分が注文したものだと気づかなかった

・豪快と繊細

この店は文字通り、太さが不規則な乱切りのそばが特徴。だが、ただ雑なのではなく、その不規則性には整えられた美しさが垣間見える。そう、豪快さと繊細さがそばの中に同居しているのだ。食べてみたところ……

ウマイ! モチモチした田舎そばを噛めば、口の中にフワッと広がるそばの香り。そんな素朴でありながらも丁寧さが光るそばと、醤油強めの濃いめ甘辛つゆが奏でるハーモニーは絶品。バッツリ切られたネギも、噛むたびつゆがあふれ出して旨味がほとばしる。

・ライン際の魔術師

さらに、乱切りにも負けない豪快さを放つ鶏天は、ジューシーでつゆの味ともベストマッチ。玉子天は、黄身がつゆにギリギリ溶けないくらいの繊細な半熟加減でサポート。豪快と繊細、冷静と情熱、全てがライン際ギリギリでせめぎ合っている。言わば、ライン際の魔術師……これはそば界の滝一(たきはじめ)や

思わず『キャプテン翼』の中でもひと際地味なキャラクターで例えてしまったが、このそば屋がどれだけライン際を攻めているかはなんとなく伝わったのではないだろうか。滝くんのオーバーラップのようにキラリと光る駅そばを食べたければ、ぜひ『乱切りそば あずみ』に行ってみてくれよな。

・今回紹介した店舗の情報

店名 乱切りそば あずみ
住所 東京都豊島区南池袋1−28−2
営業時間 平日10:00~23:00 / 土・日10:00~22:00
定休日 無休

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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