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今では情報収集の主流はインターネット。多くの人がスマホを持ち、知りたい情報はすぐにネットで検索しているに違いない。しかし今から約30年前は、ネットが普及しておらず、テレビ・新聞・ラジオでしかタイムリーな情報を得ることができなかった。雑誌が担っていた役割も大きく、特にアイドルの情報は雑誌がメインと言ってもいいくらいだった。

最近古本屋で、1986年のアイドル誌『BOMB(ボム)!』と、1989年の『ORE(オーレ)』を手に入れた私(佐藤)は、あることを思い立った。それは、この雑誌に付いている資料請求ハガキを送ったら、どうなるのか? ということ。そういう訳で早速記憶術と視力アップ、それからニキビ対策のサービスを提供する会社に、資料請求してみた!

・石川秀美さんの水着姿

BOMB! は1986年7月号、表紙には「ミッチョン」こと芳本美代子さんが掲載されている。巻頭カラーには、薬丸裕英さんの妻、石川秀美さんの水着姿を確認することができる。みんな若いな~。

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・剛はムキムキじゃなかった

そして、OREの方は表紙が生稲晃子さん。総力特集として長渕剛さんがとり上げられている。この頃はまだほっそりとしており、今のようなムキムキマッチョではなかった。彼の求道心が目覚めるのは、この頃からではなかったか……。

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・3社に資料請求

さて、本題に入ろう。私は3社に資料請求を送ることにした。まずひとつが、ニキビ対策の会社。専用ハガキを送ると、ニキビを撃退するという吸引美肌器と肌用のローションが2週間無料で試せるというものだ。

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・資料送れ

次に、目のよくなる資料を無料で提供してくれるという会社。こちらは、専用ハガキがついていなかったので、官製ハガキを購入し、「目のよくなる資料送れ」と記入して投函。「資料送れ」という投げやりな文言に、何だか時代を感じる。

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・脳に稲妻が落ちてるイラスト

そして最後に、驚異の記憶術を教えてくれる会社。40代以上の男性なら、一度は見たことがあるはず。頭が半割りになった人物の脳みそに、稲妻が落ちているというあのイラスト。ちょっとオカルトチックなこのイラストは、多くの青年雑誌に載っていた。こちらも専用ハガキに切手を貼って投函。

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・ハガキが返ってきた……

もしも送り先の会社がなくなっていれば、ハガキは返ってくるはずである。30年を経た現在も、会社が続いていれば、何かアクションが返ってくると思うのだが。何でもいいから送って欲しい! そう思いながら、数日間待つこととなった。すると……。

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ニキビ対策の会社へ送ったハガキが返ってきてしまった! う~ん、会社はなくなってしまったのか? それとも、随分前に移転してしまって、郵便物の転送を受け付けていなかったか……。理由は不明だが、2週間試せるニキビ撃退セットを送ってもらうことができなかった。残念!

・突然電話がかかって来たッ!

他の2社からの返信を待っていると、突然電話がかかってきた! 私宛てに電話をしてきたのは、視力アップの会社だ。会社は現在も存続しているそうなのだが、「視力アップの事業は終了してしまったため、資料を送れない」とのことだった。まさか30年前の雑誌を見て、ハガキを送る人がいるとは思っていなかっただろう。

ご丁寧にお電話を頂き、大変有難く思ったのだが、目のよくなる資料を得ることはできなかった。残念!

・諦めかけていたら……

これは3社とも全滅か……。まあ、30年も会社を続けるのは大変なことだし、時代も変わって事業転換していてもおかしくはないだろう。半分諦めかけていたところ……。

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キターーーー! 資料キターーーッ!! よくぞ、この30年間を生き抜いてくださった。長年離れ離れだった幼馴染から、突然連絡が来たような喜びを感じるぞ。なんだ、この意味不明の感動は!

・ひたむきな企業努力

中を見てみると、脳を鍛える(?)CD4巻とテキスト4巻の教材セットを漫画付きで紹介している。内容は、今風にアレンジされている。きっとこの資料は、時代に合わせてバージョンアップを繰り返してきたのではないだろうか。そうしてこの30年企業を存続させてきたのだろう。想像しただけで涙が出そう(泣)。

・また30年後に

と言う訳で、記憶術の会社の生存を確認することができた。まさか30年前の資料請求に返事が来るとは。さらに30年経った後に、改めて検証してみたいと思う(私が存命であれば。いや読者皆さんの存命も怪しい……)。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24