灯台下暗し」とは、人は身近なことには意外と気付かないことを意味することわざである。有名ことわざランキングがあるとすれば「灯台下暗し」はTOP3に入る著名なことわざであろう。

さて、いきなりではあるが、よく秋葉原エリアに出没する方にお伺いしたい。あなたはJR秋葉原駅の電気街口を出て徒歩10秒のところにある回転寿司をご存じだろうか? もっと言えば利用したことはあるだろうか?

・プチ激戦区

2019年に「スシロー」がオープンして以来、秋葉原駅南口はちょっとした回転寿司激戦区になっている。2021年にはスシローのすぐ近くに「はま寿司」がオープンし、両者による熾烈な回転寿司合戦が展開されているのだ。

スシローが駅から徒歩1分だとすると、はま寿司は徒歩30秒。どちらもアクセスの良さは抜群であるが、それよりもスゴいのがこの記事でご紹介する『うず潮』である。


・徒歩10秒

なにせ『うず潮』は秋葉原駅から徒歩10秒! ガンダムカフェの並びと言えばお分かりになる方も多いだろうか? あまりにも駅チカゆえに気付きにくい、まさに灯台下暗しにも程がある回転寿司と言えよう。

秋葉原を根城にする私自身はもちろん10年ほど前から『うず潮』の存在に気付いていた。……が、利用したことは1度もない。アキバで寿司ならスシローかはま寿司の2択で、正直『うず潮』は選択肢にも入らない。

……が、ところどころ秋葉原の風景が変わりゆく中で『うず潮』だけはいつも変わらない……気がする。超一等地で長年営業し続けているということは、もしかしたら超優良店なのではなかろうか?



・初入店

というわけで、ランチタイムに『うず潮』へ突撃! 回転寿司激戦区の波に飲まれているのかお客さんはまばらで、店の前から見えるガラス張りの はま寿司にはメチャメチャお客さんが入っていた。だ、大丈夫かな?

で、ざっと見た感じ『うず潮』には100円~600円まで7段階のお皿があるもよう。またスシローなどのようにタッチパネル形式ではなく、口頭、もしくは専用の紙に書いて職人さんに直接注文するスタイルであった。

で、まずは基本中の基本「まぐろ(250円)」から。しっとりとした赤身は厚さもあり、しっかりウマい。めちゃめちゃウマいとは思わなかったが「250円するだけはある味」といったところだろうか。

お次に最安値の100円皿だった「さば」は、正直「そこそこ」止まり。同じ100円のサバなら「かっぱ寿司」の方が俄然ウマい。特に光り物が好きな方が「ウマ!」と感じるか疑問が残るところだ。

一方で150円の「イワシ」や200円の「かれい」「ねぎとろ軍艦」などは悪くなかった。大手チェーンと比較すると2~3割は割高なぶん、ソツのないネタを出す店という印象だ。



・さほど……

また、カルビやハンバーグなどの「肉寿司」はおろかデザートさえ無いことは、ある意味で清々しいほど王道の回転寿司スタイルである。なる……ほど。ちょっと『うず潮』が長年続いている理由がわからなくなってきたぞ……?

結局この日のお会計は3000円ちょい。スシローやはま寿司なら「2000円くらいかな~?」といったところ。そういう意味でコスパ的にも「メッチャ優良店!」とは思えなかった。だがしかし……。


・超納得の理由

店を出た後に『うず潮』を調べたところ、驚きの事実が発覚! ホームページによると『うず潮』を運営しているのは……


「株式会社JR東日本クロスステーション」


そう、うず潮は「NewDays」や「ベックスコーヒー」「いろり庵きらく」などと同じ、JR東日本の飲食事業の一環だったのである。そ、そういうことか……。

だとすると超好立地なのも腑に落ちる。さほど冒険心に富まないメニュー構成も、要するにそういうことなのだろう。そうか、JR東日本が運営する回転寿司だったのか。

なので『うず潮』に自分がもう1度行くかはわからないが、迷いようがないほどの好立地な点はインバウンド客などにはオススメしやすい。値段はやや割高だが、安定した味である点も高ポイントだ。

株式会社JR東日本クロスステーションによれば『うず潮』がオープンしたのは2010年のこと。以来、14年間続いているのは「JRが運営しているから」と思えば、この上なく納得である。


・今回訪問した店舗の情報

店名 うず潮 秋葉原駅前店
住所 東京都千代田区外神田1-17-6
時間 11:30~22:00
定休日 不定休


参照元:株式会社JR東日本クロスステーション
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
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