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季節はもう秋。甲子園も決勝戦が終わり、熱い夏が過ぎ去り、あとにはその余韻だけが漂っているようだ。しかし、これからが本番! アツくなる部活動がある。それは吹奏楽部、ブラスバンドである。というのも全日本吹奏楽コンクールの全国大会が、毎年10月頃に開催されるからだ。地方予選を勝ち抜いた強豪校はきっと、厳しい練習を重ねているに違いない。

そんなブラスバンド部の皆さんにエールを込めて送りたい。以前にもお伝えした吹奏楽部出身者なら絶対に納得する「ブラスバンドあるある」、その第二弾である。このメロディ(声援)、君に届けッ!

・ブラスバンドあるある、第二弾

1.音楽準備室の居心地の良さは中毒レベル
2.ブラスバンドに入部する男子の8~9割は、本当は音楽が目的ではない
3.その証拠に、最初は楽譜が読めない
4.入部して良かったと思っているのは本人だけ
5.ピアノを習っていたヤツとはそもそもスタートラインが違いすぎる
6.それでも不思議なことに、真面目に練習していると、部活動の3年間でかなり音楽が身に着く
7.ブラスバンドをきっかけに、高校大学へ進むときにバンドへ転向する場合もある
8.さらに意識の高い者は、クラシックやジャズの世界へと歩みを進める
9.一番良くないのが中途半端なバンドを組むヤツ
10.「俺、ブラスバンドだった」、それがまるでステータスのように感じられて、真面目に練習しない

11.楽器を磨くのが楽しくて仕方がない
12.クリーニングクロスが真っ黒になるまで、ポリッシュをたっぷりつけて磨く
13.練習時間を割いてまで、楽器磨きに専念しているヤツがいる
14.そいつの体臭は、基本的にポリッシュ臭い
15.楽器はピカピカなのに、磨き上げすぎて真っ黒なクロス使ってるから手が真っ黒
16.ひとつでも指紋がつくと、ハァーッと息をかけて拭き始める
17.ピカピカを維持したいので、ケースから取り出すことができない。すなわち練習できない
18.そのうち楽器の分解に興味を示し始める
19.分解したい衝動を抑えられなくなって、ついに分解
20.そして元にも取らない、結果顧問に怒られる

21.腹筋が嫌い
22.なぜ自分はパーカッションではないのかと我を呪うほど、腹筋が嫌い
23.弦バス(コントラバス)にすれば、肺活量とか関係なかったのに……
24.走ったり腹筋したりすることが、どこまで意味があるのか本気で疑問
25.合宿は地獄
26.唇が荒れてマウスピースを当てることさえできなくなる
27.何回練習したって一緒だろ! と本気で思う
28.それでもひたむきに練習している先輩とかいると、自分が不満ばっかり言ってるどうしようもない愚か者だと、思えて仕方がなくなってくる
29.でも腹筋が嫌い
30.合奏で気を抜いていると、急に自分だけ演奏するように言われて、本気でおしっこチビリそうになる

31.チャッチャチャッチャッ チャッ チャチャッチャッチャッ チャチャチャチャチャッチャッチャッ! テキーラ!

32.陸上大会や野球の試合で流行りの曲を演奏できるのが楽しい
33.でも、選曲の段階で絶対ケンカになる
34.部長を要するパートが何事にも決定権を持つ
35.パート同士で始まったモメ事は、金管対木管という大局的な争いに波及し、最終的に部全体で会合の場を設けることなる
36.最後は顧問の一声で、モヤっとした結論に至る
37.なかでも一番厄介なモメ事が、新入部員の獲得争い
38.男子の取り合いは苛烈を極める
39.大体本人の意志は尊重されない場合が多い
40.その点、女子は大勢いるので、雑兵的な扱いを受けているのが気の毒になる

41.課題曲にはマーチが必ず1曲ある
42.2年前の課題曲の方が良かったの法則
43.1年生にとって常に3年生は優しい先輩であるため、その人たちの課題曲がカッコよく聞こえてこの法則が発動する
44.1年生にとって2年生は基本、鬼
45.何かにつけて「私たちの時はもっと厳しかった。1年は甘い」という言い方をされる
46.3年生が卒部するとき、冬の時代が訪れる
47.そうして1年が経ち、自分たちが2年生になったとき、3年生になった先輩たちが新1年生を甘やかすので、その1年に厳しく接さざるを得ない
48.こうして負の連鎖は連綿と受け継がれていく
49.しかし自分が2年生になったとき、先輩たちが何を言っていたのか、わかる気がしてくる
50.その先輩たちが卒部したときに、今年のコンクールは自分たちにかかってると思い、身が引き締まる思いがする

このほかにも、身に覚えのある「ブラスバンドあるある」があるはずだ。まだこんなのがあるぞ! という人は、私のTwitter( @Foodqueensatou)までお教えいただけると幸いである。

執筆:佐藤英典
イラスト:マミヤ狂四郎