個人的な意見で申し訳ないが、記者はカルビーのポテトチップス(うすしお)が大好きである。しっかりとした味付けと、パリパリとした食感が気に入って、頻繁に食べている。友人のなかには「他社のポテトチップスの方が美味しい」と言うものもいるが、記者は断固としてカルビー派を貫いている。

ところが先日、記者がいつものようにカルビーのポテトチップス(うすしお)を食べていたところ、口のなかに髪の毛を食べてしまったときのような感触があった。不思議に思って口から出してみると、ポテトチップスに細い糸状のものがくっついていた。ポテトチップスに完全にくっついていたため、製造過程で混入したものであることは疑いようもなかった。

カルビーのポテトチップスをこよなく愛している記者としては特に気にするほどのことでもなかったのだが、「お客様相談室に電話してみたらどうなるのだろう」という点に興味があった。そこで、ポテトチップスの包装袋の裏面に書かれていた「カルビー株式会社 お客様相談室」に電話をかけてみた。

電話をかけ、対応してくれた女性オペレーターに「ポテトチップスに細い糸状のものが入っていた」という旨を伝えるとかなり申し訳なさそうに謝罪し、そのときの状況や包装袋に記載されている製造所固有番号、記者の住所・電話番号などを確認。そして、「製造した工場で何が混入したのかを調べたいので、その細い糸状のものを送って欲しい。配送会社が自宅まで回収に伺うため、梱包は必要ない。ティッシュに包んでそのまま渡して欲しい」というような内容をかなり丁寧に説明してくれた。翌日、配送会社のスタッフが記者の自宅を訪れてその糸状のものを回収。謎の異物は製造工場へと運ばれていった。

それから2日後、カルビーから「本日、製造工場に問題の糸状のものが到着した。報告書を作成するのに1週間ほどかかる。申し訳ない。」というような内容の電話がかかってきた。お詫びの電話がかかってくるとは思っていなかったので、なぜかこちらが恐縮してしまった。さらに2日後、カルビーから小包が届いた。なかには「不快な思いをさせて申し訳なかった」というような内容の詫び状と、ポテトチップス(うすしお)、ポテトチップス(コンソメ)、じゃがりこ(チーズ)など5種類のカルビー製品が入っていた。

不良品だったポテトチップス(うすしお)の代わりのものを送ってくれるだけかと思っていたが、5種類も入っていたので驚いた。あとは、報告書を待つのみである。

それから6日後、カルビーから「報告書ができたので送る。本当に申し訳なかった」と電話があった。そしてさらに2日後、前回と同じ大きさの小包が届いた。なかには報告書と一緒に、ポテトチップス(うすしお)、ポテトチップス(のりしお)、ピザポテト、じゃがりこ(サラダ)、ジャガビーが入っていた。報告書によれば、細い糸状のものの正体は「作業者の服に付着していた作業服以外の衣服の繊維」とのこと。再発防止策が詳細に書かれており、最後に綴られている「より一層、安全、安心な製品づくりに徹する」という言葉に重みを感じた。

今回のハプニングをまとめると、細い糸状のものがポテトチップス(うすしお)に入っており、お客様相談室に電話。その後、経過報告の電話が2度、詫び状・調査報告書とカルビー製品5種類が入った小包が2度届いた。徹底したクレーム対応マニュアルがあるのかもしれないが、どの対応も丁寧で、非常に気持ちの良いものだった。記者がこれまで以上に、カルビー派になったのは言うまでもない。
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▼2回目の小包。報告書も同封。

▼詳細かつ丁寧にまとめられた報告書。

▼掘り出そう、自然の力。

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