先日の夜のこと。千駄ヶ谷を歩いていたところ、住宅街の暗がりにポツンと異彩を放つ看板があるのを発見した。

「あなたのかくれた能力が開発できます」という文言の下には大きい目が書かれており、さらに目の下に呪文みたいなのが書いてある。その名も『ロビンソンカウンセリング』。これは絶対ヤバイやつ。そう思ったので逆に記載の番号に電凸してみることにした

・あの夜の記憶をたどって

看板には住所と電話番号も書かれていたため、その夜はとりあえず写真を撮って帰宅した。時間も遅かったし、仮になんかの団体だとしてもこの時間は活動してないだろう。電話するのは翌日にしようと思ったのである。

しかし、本日、画像を改めて確認したところ、経年劣化の錆と暗さで電話番号の最後の方がよく分からない。というわけで、あの夜の記憶をたどってもう1度例の看板スポットに行ってみよう

・看板の場所

あの夜、私(中澤)は千駄ヶ谷から原宿に歩いて向かっていた。千駄ヶ谷駅から出た時、津田塾大学を右手に見ながら進んだので、通ったのは東京体育館と津田塾大学の間の道である。


ちょっと進むと鳩森八幡神社があるのでその交差点を神社沿いに左に折れる。真っすぐ進んだ下り坂の途中の壁に……


あった


っていうか、よく見たら……


墓地の壁やん……!

こんなのもはやホラーだろ。ちなみに、この墓地は瑞圓寺という寺のもののようだ。ええんかこんなところにこんなの貼ってて。


・改めて見て衝撃

さて置き、夜撮った画像では字が溶けているようにも見えたのだが、昼の明るさの元で見ると電話番号も住所も確認できる。しかし、こうして明るい中でハッキリと見てみると……


紹介された媒体何これ

夜は「TVで紹介された」に見えたのだが、よく見たらTVとは書いてない。TVに似たうねうねが書かれているだけだ。タイ語かベンガル語の文字に見えるが、この文字はGoogleレンズを使っても日本語認識されてしまい翻訳できなかった。

・電話してみた

見れば見るほどガチだ。ガチで怪しい。こんなもんが続くわけがないとすら思えてしまう。だが、同時にこれは奇妙な世界の扉かもしれない。あと、ワンチャン隠れた能力も開発できるかもしれない。気になることがありすぎるので速攻で電話してみたところ……


速攻で「現在使われておりません」のアナウンス。そこで記載の住所に行ってみたところ、記載されているビル自体はまだあった

・国破れて山河あり

地下には飲食店やバーなど店が入っており、一室がかなり広いことがうかがえる。郵便受けの名前を見ても個人の名前ではなく、会社の事務所とか店がほとんど。しかし、看板に記載の204号室に入ってるのは別会社。ビル自体はまだあるけど、痕跡はない。

消えてしまったロビンソンカウンセリング。それにしても、昔は雑誌の表紙裏とかにこういう謎のセミナーみたいなのがよく載っていた気がするけど、実態あったんだなあ


神宮前にそびえる古びたビルに時代のうねりを感じたのであった。国破れて山河在り、城春にして草木深し──。


執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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