
ところ変われば味覚も違う。伝統の日本食・寿司も、世界ではそれぞれオリジナリティーのあるアレンジがされていることは以前の記事でお伝えした通り。中には、「こんなの寿司じゃない」と日本人が感じるようなものも多い。
だが、それは逆も然りだ。日本で作られている世界の料理もまた、各国の人々にはピンと来ないものになっているに違いない。そこで、ロシア人に東京にある “ガチロシア料理” の店を聞いてみた。
・日本と思えない
今回話を聞いたのはロシア人のビクターである。東京に住んで3年くらいの彼。やはり、日本のロシア料理店は「何か違う」と感じることが多いようだ。そんな彼が猛烈にロシアを感じた店が東京にあるという。
ビクター「『Cafe RUSSIA』っていう店が吉祥寺にあるんですけど、味はもちろん、店内の雰囲気まで完全にロシアでした。ロシアに帰ったかと思いました。むしろ日本と思えないです」
──とのこと。そこまでロシアを再現している場所が吉祥寺にあるなんて……。というわけで、さっそく『Cafe RUSSIA』に行ってみることにした。
・吉祥寺駅前
『Cafe RUSSIA』はJR吉祥寺駅北口の駅前通りを左に進んでいったビルにあるようだ。googleマップとにらめっこしながら店を探す。『Cafe RUSSIA』、『Cafe RUSSIA』と……
あれ? 通りすぎちゃった。Cafeって看板はサンマルクカフェしかなかったけどなあ……潰れたのだろうか。位置情報の場所のビル看板にもカフェっぽい店はない。上から、ヨガ、美容室、ハンドバック直売店、金券ショップ、日本料理屋、ビジュアル系の古着屋っぽい店、居酒屋が入っている。
それにしても懐かしいなビジュアル系の古着屋。中学・高校生の頃にビジュアル系ロックバンドが全盛期だった私(中澤)は、この看板のような呪文っぽい文字が書かれた服をよく着ていたっけ。
赤地に黒文字の色合いや、2人の赤ちゃんが絡み合うイラストもゴシックっぽくて胸アツだ。どれ、ちょっと寄ってみようかな。地下1階に降りてみたところ……
カフェ・ロシアあったァァァアアア!
そう、私が見た看板に書かれていた呪文のような文字は、ロシア語で「カフェ・ロシア」と書かれていたのである。なお、私は色合いから完全にビジュアル系の古着屋と思い込んでしまったが、ビル看板の画像を改めて見てみると、通りに面した側には英語で『Cafe RUSSIA』と書かれていた。
そう言えば、ビクターも「味だけでなく装飾も全てがロシア」と言っていた。これがロシア……。洗礼を受けた気分である。
入店してみると、赤い壁とシャンデリアが目に飛び込んで来た。席に案内されると机には花が。広さは日本のカフェサイズではあるものの、どこか重厚な雰囲気を放っている。
メニュー名はロシア語だが、ちゃんと説明が書かれていた。「毛皮のコートを着たニシン(税込600円)」という名前やウォッカの種類が豊富なところが非常にロシアである。
・ランチセットがコスパ良
さらに、11時30分から17時までランチセットも用意されているようだ。ランチセットは通常メニューで700円のボルシチにメインディッシュやデザートなどがついて来る軽いコース料理。最安は、ピロシキとメイン、デザートがつくAセットまたはBセットで1180円だ。
私は、ボルシチ、サラダ、ライス、ビーフストロガノフ、デザートのCセット(税込1380円)を注文。ビーフストロガノフ(ライス付き)が税込み1000円であることを考えると価格破壊もはなはだしい。これがロシア……。
・料理に見るロシア
まず運ばれてきたのはキャベツとニンジンのサラダである。実は私は本格ロシア料理を食べたことがないのだが、このサラダはピクルスのような味付けだった。
次に来たのはボルシチ。そもそも、ボルシチを見るのさえ初めてだが、赤さが非常にロシアである。その色の通り、味付けはトマトスープのようだ。
ただ、キャベツやたまねぎがたっぷりな上、牛スネ肉まで入っており食べごたえは抜群である。だが、何より特筆すべきは真ん中に乗ったクリームチーズのようなもの。これが信じられないくらいまろやかかつクリーミーで激ウマなのである。何これどこで売ってんの? ロシア?
・ロシアの猛攻
そして、メインディッシュのビーフストロガノフ。ビーフストロガノフと言えば、何を隠そう私の死んだおばあちゃんの得意料理である。ビーフシチューみたいなアレだ。だが、運ばれてきたのは、そんなおばあちゃんのビーフストロガノフとは全然違うものだった。
まるでクリームシチューのように……
白い!
食べてみると、濃厚なクリーミーさはやはりおばあちゃんのビーフストロガノフと全く別物である。さらに、ミートソースのような味がするつけ添えがついているのだが、こいつがまた曲者だ。
ビーフストロガノフのまろやかさとつけ添えの甘辛さ……2つの味が絡み合いご飯によく合うのである。そもそもビーフストロガノフにご飯の発想がなかったがかなりウマイ。何杯でもいけそうだ。これがロシア!
ほぼ満足したところで運ばれてきたのはカステラのようなケーキにクリームが乗ったもの。そう、デザートである。もったりとしたクリームをひとすくいしてケーキを食べてみたところ……
ウンマァァァアアア! 口に入れた瞬間、チーズと生クリームの間のようにケーキがトロける。口の中に広がる豊潤な甘みが味わいたくてすぐにもうひと口! ウンマァァァアアア!!
満足していたはずなのに一瞬で食べ終わってしまった。満足の後に極め付けがやって来た。ワン・ツー・フィニッシュブローの後に寝技でも極められた気分である。エメリヤーエンコ・ヒョードルかよ!
・店の雰囲気に見るロシア
これがロシア……おそロシア。なお、ビクターいわく「接客もマジでロシアで懐かしさすら覚えた」という。個人的には気にならなかったが、ロシアでは店員さんが愛想を振りまく文化がないため接客がクールなのだとか。
料理から雰囲気までロシア人が「日本と思えない」と言うこの店。あなたも吉祥寺にあるミニロシアでビーフストロガノフでもいかがだろうか。
・今回紹介した店舗の情報
店名 Cafe RUSSIA 吉祥寺
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-4-10
営業時間 11:30~22:00
定休日 無休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
中澤星児



















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