世界に1つだけのオリジナルTシャツやバッグを作りたい! ってことで、大阪市にあるワークスペース「Squee Gee Parlor / スキージーパーラー」に行くことにした。なぜ同店を選んだのかというと、ガチの職人が接客・アドバイスをしてくれると聞いたからだ。
せっかくだったら知識を持った職人さんに相談をして “自分史上最高のオリジナルアイテム” を作りたいもの。聞くところによると、海外のスタジオのようなワークスペースでプリントまで体験できるらしい。面白そうなので実際にやってみたぞ。
・スキージーパーラーへ
JR環状線「鶴橋駅」の中央改札口から徒歩約10分(JR玉造駅より徒歩2分)の場所にあるスキージーパーラー。2023年12月にオープンしたばかりの施設である。ざっくり何ができるのかと言うと……
「版」と「インク」を使って、好きなデザインをTシャツやバッグ等にプリントする『シルクスクリーンプリント』をはじめ、特殊なプリンターで写真等をプリントする『インクジェットプリント』、さらに『缶バッチ』なんかも作れるそうだ。
なお、運営しているのはオリジナルプリントウエア制作会社なので、冒頭でお伝えしたように現役バリバリの職人さんに相談しながら作業できるのがポイント。これは頼もしい。
というのも実は、楽しみ半分、不安半分なのである。こういう体験型のお店に行くと「不器用な私はスタッフの方に迷惑をかけてしまうのでは……」と思ってしまうのだ。しかし結論を先に書くと、心配する必要はまるでない。本当にただただ楽しいだけであった。
それでは以下で、グッズ制作の流れを説明しよう!
・入店から退店までの流れ
その1:まずは受付。プリントするデザインデータを入稿する。今回は「ロケットニュース24のロゴ」を使ってオリジナルグッズを作る予定だ。
その2:製版(印刷をするための版を作ること)の待ち時間中に、Tシャツやスウェットなどの「ボディ」を選ぶ。製版ができあがるのは約15分後とのこと。
……めっちゃ悩む。キャップやトートバッグにもプリントできるらしい。もちろんサイズやカラーなどを決める必要もある。前もってイメージしておくとスムーズだろう。
悩んだ末に、今回はロケットニュース24らしいスウェット(赤)とトートバッグを作ることに決定した。よし、いざ決まると気合いが入る!
その3:ボディが決まったらインク選び。インクの種類も超豊富。同じ色に見える「赤」も、よく見るとそれぞれ微妙に違うことに気がつく……「白って200色あんねん(アンミカ)」とはこういうことなのだろう。
なぜこんなに種類豊富なのかと言うと、運営会社が依頼を受けてオリジナルウエアを制作をした際に「余ったインク」が揃っているから。まさにSDGsへの取り組みだと言える。
職人さんに相談をして無事にインクも決定した。アメリカンな雰囲気を演出してみせるぞ。
その4:そうこうしているうちに「版」も完成。メッシュ状のスクリーン(版)にインクを出す孔(あな)をあけて印刷するのが『シルクスクリーンプリント』とのこと。
その5:いよいよプリント機材のセッティング。刷りたい位置にボディ(スウェット)をセットする。高さの調節も超重要とのこと。
その6:プリント方法を教えてもらう。ロゴの上にインクを乗せて……
スキージー(ヘラ)で刷る。角度や力加減を職人さんから伝授してもらう。
その7:ついにプリント本番だ。師匠から教わった通りに刷る。
刷る!
果たして、うまくプリントできたのだろうか。恐る恐る状態を確認してみると……
…………
シャアアアアアアアアアア!
完璧。ドライヤーで乾かしたら完成だ。もう職人と名乗っていいかもしれない。いや、印刷に成功したのはアドバイスのおかげ。とにかく、これが「シルクスクリーンプリント」である。
その8:最後に片付け。インクをきれいに落としたら、またインクの色を変えて印刷できるぞ。
同じ流れでトートバッグもプリントしてみた。
うむ、100点!
何度も言うように、知識と経験の豊富な職人さんからアドバイスを受けられるので短時間でプリント技術が上達する。さらに手作業の魅力にも気がつくだろう。
ちなみにシルクスクリーンは持ち帰ってOK。アルミ枠から丁寧に剥がして再利用すべし。
・インクジェットプリント
ついでに紹介すると、写真やグラデーションを用いたイラストなどはプリンターを使って印刷する。セッティング等はスタッフにおまかせだ。
…………
一瞬でフルカラー印刷。
プレス機で熱と圧力を加えたら完成である。
・缶バッジ
缶バッジは「デザインを印刷した用紙」をマシンにセットしてプレスするだけ。同じくスタッフの方にアドバイスを受けながら作業できるので安心。
こんなに簡単なら色々作りたくなるな。
・人生初のプリント体験を終えて
──というわけで、人生初のプリント体験を楽しみながらオリジナルグッズをたくさん作ってみた。また機会があれば、インクの色を組み合わせてプリントしてみようかな。職人さんからアイデアや技術を教えてもらえるのが本当に面白いし貴重だと思う。
そういえば、休憩スペース(無料コーヒー付き)もある。作業の合間に利用するのがオススメだが、私のように完成したグッズを眺めながら優雅にくつろぐのもアリ。作業後の1杯はウマい。他にも体験者がいれば、情報交換や感動を共有できるのだろう。
だいたい入店から退店までは1時間ほど。大袈裟ではなく、流行や時代に左右されないオリジナルグッズが何でも作れるので表現したいものがあればぜひ試してみてほしい。本当に面白かったぞー!
参考リンク:スキージーパーラー
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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