公衆電話からスマホにメールを送信できるらしい──。最近ネットを騒がせているこの機能を、当編集部の中澤自ら実際に試してみたのがちょうど昨日のこと。その衝撃の結末は、ぜひ記事を読んでご確認いただきたい。

ところで、私(あひるねこ)はこの話を聞いて、ふと小学生の頃に流行った噂話を思い出していた。それは公衆電話から “ある番号” に電話をかけると、数秒後に知らない誰かから電話がかかってくる……というものだ。ご存知の方はいるだろうか?

・とある噂話

あれは私が小学生の頃。今から20年以上前の話だ。誰からどうやって聞いたのかはまるで覚えていないが、それはちょっとした恐怖体験として私や友人に伝わってきた。記憶をたどると、たしかこんな感じ。


「〇〇のコンビニにある公衆電話から、“111” って番号に電話をかけてみろ。そしたら何秒後かに、その公衆電話が勝手に鳴り出すぞ


電話がかかってくる? そんなバカな。そもそも公衆電話が鳴ってるところ自体、これまで一回も見たことない。大体、それは誰がかけてきているんだ? どうして公衆電話の番号が分かるんだ? おかしいじゃん。でも……ちょっと試してみたいかも!

まあ小学生なんてこんなものである。そこで放課後、私は二人の友人と共に、電話をかけるべく噂のコンビニへ向かうことにした。

・噂の公衆電話

そのコンビニは自転車で行ける距離にあり、今ではあまり見かけなくなったが、当時はコンビニの前に公衆電話が設置されている光景は決して珍しくなかった。と言っても、そこまで利用する人も多くないので、電話の周辺に人の気配はない。


小銭を入れたのか、はたまたテレホンカードを使ったのか記憶にないが、さっそく電話をかけてみる。言われた通り、1……1……1……とプッシュ。


……どこかに繋がったのだろうか? これもハッキリとは覚えていないが、こんな3ケタの番号が本当に使えるの? と疑問に思ったような記憶が薄っすらある。その後、息を潜めて電話を凝視する3人の男子たち。すると……。


\ プルルルルルルル! /

・鳴った

なんと、公衆電話が爆音で鳴り出したのだ! う、うわァァァァァアアアア! ホントに鳴ったァァァァァアアアア!! 思わずその場から立ち去りそうになる我々。しかし、このまま電話を放置するわけにもいかない。私は受話器を取って恐る恐る耳に当ててみた。そこから聞こえたのは……! 聞こえたのは……!! 


たしか無言電話でした。だがしかし、結局何が起きたのかはよく分からなかったものの、目の前で公衆電話に電話がかかってきたという事実に興奮しまくる私と友人たち。マッハでチャリをこいで帰った翌日、その衝撃体験について学校で盛り上がったのは言うまでもない。

・111の正体

さて、回想が長くなってしまったが、もちろんこれは心霊現象でも何でもない。ネットで調べるとすぐ分かるように、“111” とは、その電話が正しく接続されているかを確認するための番号なのだ。つまり、折り返し電話をかけてきたのは機械であり、かける場所はあのコンビニじゃなくても、別に何の電話でもよかったのである。

・スマホでもいける?

しかし、それでもあの時のハラハラドキドキ感は、今でも良き思い出として私の中に生き続けている。こうして久しぶりに思い出すことができてよかった。ネットに感謝だ。せっかくなので、あの機能がスマホでも使えるのかちょっと試してみたい。


通話アプリで111と入力。すると……

キターーーーーッ! 電話がかかった!! なんか音声案内が流れてるぞ! あの時こんな放送あったかな? それはさておき! 電話を切って数秒待ってみると、今度は……


非通知で着信キターーーーーー!

電話を取ると、再び音声案内が流れ始めた。にしても非通知の着信……ある意味でこれは、当時の我々にはなかった恐怖である。約20年ぶりの “111” コールに、時の流れを感じずにはいられない私であった。嗚呼、ネットがない時代だからこそ生まれた、バカらしくも愛すべき噂話よ。永遠に……。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.