噂は聞いていた──。松屋の『シュクメルリ鍋定食』とやらが大変人気らしいと。復刻メニュー総選挙で1位に輝いたらしいと。なんでもジョージアの伝統料理らしいと。それが先日、3年ぶりに復活したらしいと。

私(あひるねこ)の時間は、盟友『ごろチキ』の販売終了と共に今なお止まったままだ。しかし、そろそろ新たな一歩を踏み出す時が来たのかもしれない。『シュクメルリ』は私に夢(ごろチキ)を忘れさせてくれるだろうか?

・シュクメルリが復活

2024年2月6日、二度目の復活を果たした『シュクメルリ鍋定食』(税込930円)。すでに散々話題になっている商品だが、個人的にはあのクリームシチューっぽい見た目のせいか、どうも関心を持てないでいた。

クリームシチュー自体は好きでも、定食として食べたいかと聞かれると微妙なところ。おまけに私は、熱心な “おかずにサツマイモ不要論者” なのだ。


実際、料理が来た時の率直な感想は「白っ! サツマイモでかっ!!」だった。ぶっちゃけあまり そそられないが……しかし、スプーンを口に運んだ瞬間。あらゆる思考がストップするほどの衝撃に襲われる。そう……


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> ニ ン ニ ク <
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・いきなりの猛攻

マ、マジかよコイツ……! 脳に直接ニンニクを叩き込まれたのかと思ったぞ……!! クリームシチューを想像した私がバカだった。これはただのホワイトソースじゃねぇ。ホワイトソースの姿を借りた液状のニンニクだ。



ニンニクを大量に使用する料理はたくさんあれど、この正気とは思えないニンニク含有量は果たして合法なのか? ひとくち食べると口の中どころか、食道から胃に至るまですべてがニンニク味に。

もはや私自身がニンニクになるのも時間の問題だろう。

・でもウマい

調理方法を間違えたんじゃ? ってくらい濃厚なソースは、鶏肉やサツマイモ、玉ネギなどのあらゆる具材をニンニク一色に染めながら、各所で同時多発的にケミストリーを巻き起こし、それぞれのポテンシャルを限りなく引き出している。


要はニンニクのおかげで具材もより一層ウマいぞって話なのだが、特に驚いたのがサツマイモだ。先述した通り私は急進的なサツマイモ不要論者である。しかし、この鍋においてはハッキリとその必然を感じた。


それはまるで、ニンニクに覆い尽くされた大地に咲く一輪の花。ホワイトソースの強烈な塩味がサツマイモの甘みを際立たせ、絶妙なコントラストを生み、ニンニクが敷く絶対王政の中で一服の清涼剤になっているのだ。



鶏肉も『ごろチキ』ばりにゴロゴロ入っていて文句なし。とろ~りチーズを身にまとうことで、『ごろチキ』とはまた違った中毒性のある旨みを放っている。おかげでご飯も進む進むゥゥゥゥウウウ! 


ところが……!!


僅かなソースも残さずキレイに『シュクメルリ』を完食した私は、ここでようやく自分がとんでもないミスを犯してしまったことに気付いた。バ、バカな……信じられん……。すっかり頭から抜けていたけど、よく考えたら俺……


このあと会社やん。



・大後悔

なぜだ。なぜ私は真っ昼間にこんなニンニクの化身みたいな料理を食べてしまったんだ。口はもとより、体中の穴という穴からニンニクの気配がダダ漏れになっているのを感じる。もはや歩くニンニクアロマディフューザー。

どうやらついに私自身がニンニクになってしまったらしい。誰か教えてくれ。ニンニクが出社してええんか? もう夢(ごろチキ)を忘れるとかどうでもいい。それよりこの悪夢(ニンニクスメル)を忘れさせてくれ。

・事前に確認を

たしかに『シュクメルリ』は噂通りのウマさだった。が、これから初めて食べる人は、食べた後の予定までしっかり考えておかないと確実に詰むことになるだろう。

この私……いや、この哀れなニンニクのように。くれぐれも注意して臨んでほしい。

参考リンク:松屋
執筆:ごろチキ信者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.