朝の情報番組が特集していたのだが「最近の女子高生は昔のデジカメを持ち歩いている」らしい。親世代が使っていた2000年代のものがとくに人気みたいで、デジカメならではの雰囲気や味が “平成レトロ” なのだとか。

ついに自分の青春時代がレトロと呼ばれてしまったか……そんなことを考えながらAmazonで最も安いデジカメを1台購入した。価格は3590円、今ではこんなに安くデジカメが手に入るんですね。実際に使ってみた。

・Amazon最安のデジカメ

そうそう、テレビを眺めながら「当時のデジカメを大事に保管している親がそんなにいるのか……」と思ったのだ。私は捨てた。捨てたというか消えた。実家の引き出しに眠っているかもしれないが、たぶんそういう次元じゃないところに行ってしまった気がする。

何が言いたいのかというと、もし子供(女子高生)がいたら自分のデジカメを渡せなかったと思う。同じように悩んでいる親がいるかもしれない……ってことで、Amazonで最安のデジカメを買ってみたわけだ。一応、評価は5(レビュー数1件)。

商品名は「デジタルカメラ デジカメ Camnoon ポータブルキッズカメラ〜(長いので省略)」。注文すると中国から約1週間かけてやってくる。

カラーは5種類。私はブラックを選んだが、商品ページを見ると、ピンクやパープルといった淡い色が定番っぽい。女子高生が好きそう。

箱の中にはデジカメ・充電ケーブル・ストラップが入っていた。「2000年代のデジカメ」と言われても特に違和感はない。ザ・平成的ビジュアル。デジカメってそういうものなのかも。



・けっこう使いやすい

昔のデジカメより使いやすいと思ったのは「タイプCケーブルで充電できること」「マイクロSDカードにデータを保存できること」の2点。また、1時間ほど充電したら4〜5時間連続使用できるのも良い。


・設定

電源を入れると「i ♡ deep」なるメッセージが表示される。 意味は不明だが、慣れたら別に気にならなくなる……というか、どうでもよくなる。


使用前に「言語(日本語)」や「カレンダー」「画像サイズ」等を設定しておく。


ちなみに写真・動画撮影の他に「倉庫番」「テトリス」「スネークゲーム」といった簡単なゲームもプレイできるようだ。軽い気持ちで始めたらハマってしまうタイトルばかり。今の若い子なら逆に楽しめるかも。



・撮影してみた

それでは、最高画質に設定して写真・動画の撮影に挑みたい。最新スマホでは出せない味が出るだろうか。テキトーにパシャパシャ撮ってみると……


…………



それなりにちゃんと写っている。


動画も悪くない。


以前紹介したAmazon最低評価のアクションカメラは完全に「昭和のホームビデオ」だったが、今回のAmazon最安デジカメはまさに「平成デジカメ」って感じ。暗い場所に弱いところも含めて昔のデジカメである。



・ちょうどいいレトロ加減

ただ商品ページには「人生の特別な瞬間を驚くほど鮮明に撮影できます」とか「世界を驚くほど詳細にとらえます」などと書いてあるので、ガチで高性能デジカメだと思って買うとガッカリするだろう。そういうカメラではない。

最新スマホと昭和インスタントカメラの間、クッキリ鮮明だけど完璧ではない。拡大するとなんだかぼやけているような……しかし、この曖昧さこそがではなかろうか。なんだってもっと曖昧で良いのだ。

そういえば、平成の歌姫・浜崎あゆみも「曖昧だった夢と現実の境界線は濃くなった」と歌っていた。つまり曖昧なままの方が良かったという意味だろう。たぶんだけど。

そんな曖昧な写真が撮りたい方、子供に2000年代デジカメをねだられて困っている方にAmazon最安デジカメをオススメしたい。十分レトロな雰囲気を楽しめると思うので。


参考リンク:Amazon「デジタルカメラ デジカメ Camnoon ポータブルキッズカメラ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.