ラーメン屋の店主にとって一番の見せ場となるのは “湯切り” だろう。「天空落とし」や「ツバメ返し」などと名付けられた華麗なワザはよく知られているが……最近じわじわと注目を集めているのが、あまりにもダイナミックな「アクロバット湯切り」である。

アクロバット湯切りを披露しているのは、埼玉県所沢市「博多らーめん ひまわり」の店主。カウンター越しに厨房をのぞいたら「宙を舞う麺」が見られるそうだ……気になったので行ってみたところ、圧倒的なスペクタクルショーが繰り広げられていたので報告したい。

・博多らーめん ひまわり

JR武蔵野線「東所沢駅」から徒歩約20分、国道463号沿いに「博多らーめん ひまわり」はある。駅から少し離れていたので、駅前のシェア自転車をはじめて利用した。15分70円、めっちゃ寒いけど便利。また活用したい。

さて、湯切りを鑑賞すべくカウンター席を確保。昼時ということもあり、店内はだいぶ賑わっていた。さっそく名物メニューの「ひまわりらーめん(1000円)」を「麺かため」で注文してから、チラッと厨房をのぞくと……


もう始まってたァァァアアアアアアア!


ロシアのサーカス団さながらの宙返りを披露する麺。めちゃめちゃ気になるが、スーパーアクロバティックショーはラーメンを食べてからじっくり鑑賞したい。そんなわけで数分後に……

ひまわりらーめんが登場。いただきます。


湯切りにばかり気を取られていたが……うまい! 豚骨を数日間炊き続けて作るというクリーミーなスープは飲み干せるレベルの美味しさ。独特の臭みはないから、豚骨が苦手な方でも美味しく食べられるだろう。明太子も入っていて博多を丸ごと感じられるラーメンだ。

ブツっとした歯ごたえの極細ストレート麺も博多ならでは。スープがよく絡む。やはり人気なのだろう。あちこちから「替え玉」の追加注文が飛び交っていた。そして……衝撃の光景を目撃したのは、どこかのテーブルが「替え玉」を注文した時だった。


・いきなり始まった空中ショー

店主から「投げます」という言葉が聞こえたので顔を上げると、約3メートル離れた場所に立つスタッフ(奥様)に向かって……


ドンブリを投げて……


ウソだろおい……


…………



おい……



おい……



オイイイイイイイイイイイ!


替え玉も投げたァァァアアアアアア!


ナイスキャッチした奥様は一切表情を変えずに「替え玉」を運んでいく。これぞアーティスト。見事な夫婦連携プレーだ。そして飛行した「替え玉」は完璧に湯切りされた状態、もしかしたら合理的……なのかもしれない。

あとから話を聞くと、店主の前田貴史さんは総合格闘技団体「修斗」で活躍していた元プロ格闘家。舞台は変われど、反骨の格闘魂で作る豚骨ラーメンは多くのファンに支持されているようだった。パフォーマンスも一級品。観客を魅了するワザと味をバッチリ兼ね備えていた。


・冷凍自販機も人気

──ちなみに「しそギョウザ」もかなり人気があって、店を出たお客さんがそのまま冷凍自販機で「持ち帰り餃子」を買っていくのを何度も見かけた。しそ2枚をそのまま包んでパンチ力抜群の美味しさとのことなので、テイクアウトもぜひチェックしてみてほしい。

とにかく強烈なアクロバット湯切りや、ドンブリと替え玉の空中ショーは一見の価値あり。463号が渋滞していたら気分転換に立ち寄ってみてはいかがだろうか。きっと気分が晴れやかになるだろう。まさに、ひまわりのようなラーメン店だった。


・今回ご紹介した店舗の詳細データ

名称 博多らーめん ひまわり
住所 埼玉県所沢市日比田110-4
休日 月曜日・火曜日
時間 11:00〜23:00(水・木) / 5:00〜23:00(金・土・日) ※時短要請期間中は要請に従った時間まで

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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