昨年末に書いた記事の中で、私(あひるねこ)は「かつや」に対し、「2024年は少し大人しくしていろ。あまり張り切るんじゃないぞ」と忠告したが、まさかマッハでブチ破られるとは思わなかった。初速からトップスピードでコースアウト寸前ではないか。

新年一発目となる「かつや」の新商品、その名も『かつやのトリプルカツ丼』は、カツ丼・牛丼・親子丼にそれぞれ声を掛けた結果、なんか全員同じ日に来ちゃいました的なトリプルブッキング飯である。無能なのか有能なのかはよく分からん。

・かつや新商品

「かつや」は2019年にも『牛丼カツ丼』という、あえて知性を捨て去ったかのような名前の珍商品を発売しているが、どうやらこの5年でさらに無知性に磨きがかかってしまったようだ。以下の公式コメントからもそれがうかがえる。


かつや「カツ丼と一緒に食べるなら、親子丼? 牛丼? どちらか迷う位なら、1度に3種類楽しめる一杯に仕立てたら喜んでいただけるのではないかと考え誕生した『かつやのトリプルカツ丼』」


最初の一文からすでに意味不明である。カツ丼と一緒に親子丼か牛丼が食べたくなるヤツは、たぶんいねぇ……! 前置きの時点で崩壊しているあたり、さすが俺たちの「かつや」である。

一応、定食も用意されているが(税込979円)、やはりここは丼を頼むべきだろう(税込869円)。2024年の始まりを告げる「かつや」渾身の一撃が……


これだ!



それは、あまりにも想像通りの代物であった。いや、むしろ想像通りすぎてヤバイというか……「かつや」の野郎、本当にやりやがったぞ。


カツ丼。


牛丼。


親子丼。

謎の語呂の良さを発揮しつつ、そこに三つ葉、紅生姜、紅白のかまぼこを添えることで、幾ばくかの正月感を出してきているがそれどころではない。こんなに隙間なく詰め込まれて、一体どこから攻め込めというのか? 器上は早くも難攻不落の様相を呈していた。



まずはおなじみのカツ丼で様子を探るも……

カツを食べていたら、背後からボカスカ殴ってくる輩が。そう、牛丼である。5年という歳月のなせる業(わざ)なのだろうか。『牛丼カツ丼』の時よりも明らかにおいしくなっていることに驚きを隠せない。コイツ、いつの間にこんな実力を……。

と思ったら、今度は親子丼が後ろからタコ殴りにしてくるんだけど、何この脱出不能ゲーム。

カツ丼や牛丼と比べると、やや肉量で劣るイメージの親子丼であるが、本人もそれを自覚しているのか、やけに鶏肉がゴロゴロ入っていて食べ応えは十分。嬉しい誤算だった。しかし……



三者三様の充実によって、各戦力がほぼ拮抗しているのは喜ばしい事態だ。が、見方を変えればこれは、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)から三国同時攻撃を受けているような危機的状況でもある。秒速で滅亡するやん。

事実、この『トリプルカツ丼』には、余白のような時間がまるで存在しない。超強力な肉丼勢によるピークタイムが怒涛の如く押し寄せるため、日本料理における “箸休め” のような瞬間がただの一度も訪れないのだ。こんなん息が続かないぞ。ところが……!

・反転

3種類の丼を次から次へと入れ替えながら食べていくにつれ、次第にそれが快感に変わってくる。キマってくる。恍惚とする。太陽よりも高く昇っていく。そう、最高にハイってやつだァァァァァァァ!

例えるなら、回転する中華テーブルの上に、料理ではなく自分が乗っているような状態である。口を開けてクルクル回っていると、カツ丼・牛丼・親子丼が目まぐるしいスピードで、我も我もと飛び込んでくるのだ。アホな光景すぎるだろ。

だがそれくらい、思った以上に最高だぞこの『トリプルカツ丼』は。マジで店の全員が注文してるんじゃないか? ってくらいのオーダー率で笑ったが、我々 “かつや者” が何を求めているのかを「かつや」はよ~く分かっているらしい。さすが俺たちの「かつや」だ。



・いきなり大傑作

こんなに食べられるか心配な人も中にはいるかもしれないが、むしろ私はご飯を大盛りにすることをオススメしたい。昨年発売された地獄の『タレカツ丼』と違って揚げ物が少ないので、意外と簡単に完食できるはずだぞ。


冒頭でこの丼について「無能なのか有能なのかはよく分からん」と書いたが、謹んで訂正しよう。『かつやのトリプルカツ丼』はトリプルブッキングによって生まれた三国志であり、そして人類の夢そのものである。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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