俺たちの「かつや」、待望の新商品は先月と同じく合い盛り丼だった。これに対し「また合い盛り?」と思った “かつや者” も中にはいるかもしれないが、安心して欲しい。前回の『タレカツとから揚げの合い盛り丼』とは比べ物にならないくらい、しっかりどうかしているからだ。

本日2021年4月9日発売の新メニュー、その名も『牛春雨プルコギとメンチカツの合い盛り丼』! いや春雨てお前。最高である。すでに最高である。よく分からんエンジンを積んだまま月まで旅立とうとするこの謎のチャレンジ精神こそ、俺たちの「かつや」の王道と言えるだろう。

・かつや新商品

『カレーうどんカツ丼』『チキンカツカレーうどん』など、何かにつけて麺類に手を出したがる「かつや」。そういえば過去には『ラーメンコロッケ』なんていう商品もあったな。前世は製麺所か何かなのか。ただ、さすがに春雨が来るとは予想外だった。永谷園かよ。

『牛春雨プルコギとメンチカツの合い盛り』は例にならって3タイプあり、丼が税込649円。定食が税込759円。単品が税込539円となっている。もちろん私(あひるねこ)は丼をチョイス。このメニューは丼であることに意味が……


\ ドスン /


わーーっ!!


・降臨

こ、これがそうか……。なんて凄まじい重量感だ。そして見たことのない光景である。プルコギとメンチカツをご飯の上に同時に盛り付けるなど、普通の人間には到底思いつかない発想。例え思いついたとしても、そんなバカなことはしないのが大人というものではないか。


プルコギは牛バラ肉にピーマン、人参と具だくさんだが、それ以上に春雨が大量に使われていてどこかチャプチェのようでもある。丼を埋め尽くすかのような特大ボリュームだ。

・主役は春雨

で、これが何というか言葉に迷うのだが、めちゃくちゃにウマい。柔らかな牛肉はもちろんのこと、濃いめに作られた甘辛なタレ(甘みが強め)が染みた春雨が抜群にウマいのだ。もはや春雨こそが本作のメインであり、その圧倒的な主人公オーラには震えざるを得ない。

ただ、春雨が丼を物理的に支配しすぎるあまり、まったくご飯に到達できないというバグが発生する点は指摘しておかなければならないだろう。この上なくご飯が欲しくなる味付けであるにもかかわらず、だ。危なく「そこをどけ……!」と声に出しそうになったぞ。

その結果、春雨をおかずに千切りキャベツを食べるという人生初の体験をすることになったでござる。大方メンチカツの付き人役とでも思っていたのだろう。春雨をのせた時のキャベツの「え、俺!?」という表情はいまだに忘れられない。こっちも驚きだよ。


つーか……


てめえ何サボってやがんだ!

・寝てんじゃねぇ

このメンチ野郎、春雨に隠れて気配を消してやがった! もっと仕事しろい!! と思い一口かじると、プルコギとの対比によってか、衣のサクサクさがいつもよりも際立っているように感じられる。仕事してたんかい! そいつはすまなかったな。

さて、ここまで食べ進めたところで……皆さんお気付きだろうか? 実はこの『牛春雨プルコギとメンチカツの合い盛り丼』、一見めちゃくちゃなようでいて、実際にめちゃくちゃという究極にアホな有言実行を果たしておきながら、その裏で味の良さには真摯に向き合う隠れ優等生なのだ。

・一つの完成形

もちろん過去の奇天烈な商品たちの味が悪かったというワケではないが、良い意味でここまでコンセプトと味にギャップがあったケースは珍しいのではないか。私が無類の春雨好きであることを差っ引いても、この丼はアタリだと思うぞ。うん。

「何やそれ!」からの「ウマいじゃん!」となる展開は、「かつや」の新商品にとって一番の理想形であろう。実は食べ終わってから味変用のコチュジャンを入れ忘れられていたことに気付いたのだが、今回は合い盛り丼の出来に免じて許すことにしたい。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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