今から3年前、コロナ禍で「ステイホーム」が呼びかけられていた頃に、私(佐藤)は亀沢郁奈が執筆した記事に痛く共感していた。それはふりかけについてのものだ。

鳥取出身の彼女はその当時、広島の田中食品の「タナカのふりかけ(旅行の友)」を都内で見たことがないと訴えていた。島根出身の私も見たことがない。同じ中国地方出身者として、彼女の言いたいことがよくわかったのだった。

そのふりかけが都内の広島物産館で買えると、最近になって知った。おまけにダンボール工作のガチャまで売ってるじゃないか! なぜ今まで物産館の存在に気づかなかったのか!? とりあえず、その工作キットを買ってみたのだが、意外なところでつまずいてしまった……

・工作キット

タナカのふりかけは中国地方出身者にとってはメジャーな商品のひとつ。というか、私の場合は子どもの頃から食卓にあるのが当たり前だったので、てっきり全国販売しているものとばかり思っていた。

大人になってふりかけを食べる機会が少なくなり、その存在すら忘れていた頃に、彼女の記事を目にして、そういえば! と思い出したのだ。

たまたま先日、広島カープの3色赤ペンを購入するために、広島ブランドショップ「TAU」を訪ねた際、ダンボール工作ガチャを発見。この店の1階にタナカのふりかけが売っていたのである。

都内にもちゃんとあるやん、亀沢! ちゃんと探さんかい!!


せっかくなので、購入(税込946円)して工作してみることにした。


ところが、思わぬ問題発生!! ガチャはハンドルを回すと、ミニパックが1袋ずつ出てくる仕様になっている。なのに、広島ブランドショップでミニパックが売っていなかったのだ。完成してもガチャできない。なぜブランドショップでミニパックを売っていないんだよ……。

工作前に挫折しそうになった。が! なんと高級スーパー「成城石井」でタナカのふりかけミニパックを発見した。これで作ることができる~! それにしても、都内ですでに2カ所も売ってるお店を見つけたぞ。亀沢、都内でも買えるやないか。



・トモちゃんの頭は……

さて、工作前にタナカのふりかけ豆知識だ。

このパッケージのキャラクターは「トモちゃん」という。旅行の友という商品名がその由来だろう。


このキャラの頭に付いているものは何か、おわかりかな? 私はずっとふりかけのミニパックだと思っていたのだが、そうじゃない。工作の説明書に記載された内容によると、これは電車の切符なのだとか。たしかに改札バサミの切り込みが入っている。


今の子どもたちは、これを切符とわかるのだろうか? そもそも切符自体を知らない可能性も否めない。現代風にICカードやスマホ、もしくはアップルウォッチを頭にあしらっても良い気が……。



・カンタンに作ることができる

ということで工作開始。組み立てにはハサミものりもいらない。説明書にしたがって、パーツを取り外して組み合わせていくだけだ。……なのだが、最後の装飾パーツははめ込み式ではないので、両面テープがあると良い。それから、ミニパックを排出するために使う輪ゴムが4本必要になる。


だいたい10分で完成する。子どもならもう少し時間がかかるかもしれないが、プラモデルを組み立てるよりもはるかにカンタンである。


上部のフタを開けてふりかけを装填! 10個くらい入りそうなんだけど、詰まってしまうことがあるので、7~8個くらいが妥当かな?


ハンドルを回すと~。


おお! ヌルッと出て来た!!


「磯海苔」キターーー!


簡便な仕組みのガチャゆえに、すぐに詰まってしまうのでご注意を。

いずれにしても、創業100年を超える地方の老舗の味が、都内でも味わえるのは大変ありがたい。中国地方出身の方はもちろん、タナカのふりかけを知らない人にもぜひ味わって頂きたい。素朴な味に癒されるぞ。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ひろしまブランドショップ「TAU」
住所 東京都中央区銀座1-6-10 銀座上一ビルディング
時間 10:30~20:00

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24