最近自分の生活用品について見直している。何気なく使っているものが、はたして本当に良いものなのだろうか? たとえば櫛もそのひとつだ。高級つげ櫛を購入してみたら、あまりの使い心地の良さに、「もうほかのモノは使えない」とさえ思うようになった。

同じように、風呂で市販の垢すりタオルを使っている。大した理由もなく使っているけど、それで良いのか?

そう考えた私(佐藤)は、はけとぶらしの専門店「かなや刷子(ぶらし)」を訪ねた。そこで入浴用の「健康タワシ」(税込1980円)を購入してみたら、すこぶる良い。入浴体験が変わりそうだ

・初心者向けタワシ

かなや刷子は、東京・台東区に本社を置く刷子専門業者である。創業大正3年(1914年)、100年以上の歴史を持つ老舗で、取り扱い商品はブラシと名の付くものなら何でもありそうだ。お店に行けば、その種類の多さに驚かされる。

お店は浅草に2店舗、かっぱ橋・鎌倉・横浜にそれぞれ1店舗ずつあり、ネット通販も行っている


購入したのはサイザルの健康たわしである。「サイザル」とはリュウデツラン属の植物で、丈夫で水に強い性質を持つことから、玄関マットや漁業用ロープ、猫の爪とぎなどにも使われる繊維である。


硬さはソフトで、健康タワシの初心者向けとのことだ。


・泡は立たないが!

先にも述べたように、私は普段垢すりタオルを使っている。固定せっけんをガシガシと擦りつけて、泡まみれで身体を洗うのが好きだ。泡いっぱいだと、めちゃくちゃ洗えている気分になれる

だが、どうやらその洗体は間違っていたかもしれない。というのも、健康タワシで洗うとそうはならないからだ。


タワシにガシガシとせっけんをこすりつけても全然泡が立たない。おそらくタオルのように空気を含まないので、泡の出が悪いのだと思われる。それで身体を洗ってみたところ、ソフトと聞いていた割に硬くて、肌をこすると痛いくらいだ。

しかしタオルと違って、マッサージ効果が高い気がする。こすったそばから血流やリンパの流れが促進されているのか、身体が内側から温かくなってくるのだ。とくに、首周りや腕や脚のつけ根、くるぶし辺りをゴシゴシやっていると、筋肉の緊張がほぐれて気持ちがいい

とはいえ、タワシは目が粗くて細かく洗えていない。初心者ゆえに洗い残しがあるのかも。だから、タワシでザっと洗ったあとに、垢すりタオルで仕上げると良いかも。しばらく洗い方について、研究してみたいと思う。


なお、背中を洗う場合は、タワシの両端に出ている紐を持って、背中に回すとスムーズに洗える。背中専用の「棒タワシ」もあるので、しっかり洗いたい人はそちらもオススメ。


近年はサウナブームでサウナ用品ばかりに注目が集まっているが、入浴用品を見直して風呂に入る満足度を高めるのも良さそうだ。通販でも購入可能なので、一度お試しあれ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 かなや刷子 浅草新仲見世通り店
住所 東京都台東区浅草1-28-3
時間 10:30~17:30
定休日 なし

参考リンク:かなや刷子繊維用語集
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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