2023年10月17日、松屋の新商品『魯肉飯(ルーローハン)』の発売が開始となった。これは松屋が先日から開催している「台湾フェア」にちなんだ新メニューで「鶏肉飯(ジーローハン)」に続く台湾フェア第2弾の新商品となっている。

実は松屋では昨年も『魯肉飯』を発売しているが、実際には「単なる角煮丼だった」とロケニューに書いてあった。果たして今年の『魯肉飯』はどんな仕上がりなのか? さっそく食べて来たのでご報告したい。

・あれはあれで魯肉飯?

日本では1、2を争うポピュラーな台湾グルメ、それが『魯肉飯』である。ざっくり言えば「そぼろご飯」のような「豚肉版ねこまんま」のような台湾のローカルグルメで、最近ではお洒落なカフェごはんとして見かける機会も多い。

昨年、私(サンジュン)は松屋の魯肉飯を食べて「完全に角煮丼と一致」「魯肉飯ではない」とお伝えした。……が、実はこれには後日談があり、一部の読者から「角煮スタイルの魯肉飯も現地にはある」という情報をちょうだいしたのだ。

松屋の魯肉飯は私が現地で食べた魯肉飯とは明らかに違ったのだが、角煮スタイルの魯肉飯も台湾にはあるのか? すまん、俺は物心ついてから台北にしか行ったことがないんです……。

・台湾マスターに聞いてみよう

そこで知り合いの台湾大好き台湾マスターに「角煮丼スタイルの魯肉飯って台湾にもあるんですか?」と聞いてみたところ、以下のような返答があったのでご覧いただきたい。


台湾マスター「基本は一緒なんだけど、南の方は日本とおなじく料理がちょっと甘め。そして呼び名が違ったりするのよね。北部では「魯肉 / 滷肉(ルーロウ)飯」で、南部では「肉燥(ロウザオ)飯」って言うんだよ。

あと、大きな角煮状のお肉が乗ったコンロー飯(焢肉 / 爌肉)は、南部だと魯肉飯と呼ばれてることもあるから、それがややこしくなってるなんじゃないかな? 例えるなら大阪と広島のお好み焼きが違うじゃない? 一部ではモダン焼きって呼ばれたり……そんな感じ?」


……なるほど。魯肉飯は台湾全土で魯肉飯だが、地域によって呼び名や味付けがやや違うらしい。逆に言えば魯肉飯はそれなりに自由度が高い料理のようだから、松屋の魯肉飯も「魯肉飯!」として押し切れるのかもしれない。

・松屋の魯肉飯は?

で、松屋の『魯肉飯』は1人前680円、牛めしのお肉がのった「魯肉コンボ牛めし」は800円となっている。今回はより純粋にルーローを味わうため『魯肉飯』をオーダーした。

で、気になるお味はと言うと「やはり角煮丼と言わざるを得ない」というのが率直な感想だ。そもそも現地の魯肉飯も “台湾っぽい香辛料” などはさほど感じなかったが、それにしても松屋の魯肉は角煮である。むしろ角煮丼と食べ比べてみたい勢いだ。

それでも角煮丼としては十分にウマい。甘めに味付けされたの角煮はご飯がススムくんだし、海苔と青ねぎの風味もイイ感じである。魯肉飯と呼んでいいのかは疑問が残るところであはあるものの、一杯の丼としては十分にウマかった。

・結局なんなのか?

なお、台湾マスターに松屋の魯肉飯の画像を見せて「これは南部風の魯肉飯ですかね?」と聞いてみたところ、以下のような回答があった。


台湾マスター「日本風というか松屋スタイルだね。海苔を敷いてるとか台湾の魯肉飯ではあり得ない。海苔とネギを無くして高菜でものってれば現地っぽく見えるかな?」


結論:「松屋の魯肉飯は松屋風。ひいてはやはり角煮丼である」


──完──


参考リンク:松屋公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.