もしかしたら多くの人は気付いていないかもしれないが、2023年10月4日からスシローに登場している『白い唐揚げ』は、ちょっとした奇跡を感じさせる商品である。私(サンジュン)は率直に「マジかよ!」と驚いてしまった。

『白い唐揚げ』を監修したのは、東京都の名店「やきとり宮川」である。実は数カ月前、私は同店の唐揚げのウマさに感動し、掲載許可を求めたところ “取材NG” になった経緯があるのだ。

・取材NG

とにかく絶品だから食べてみて欲しい──。知人の勧めで「やきとり宮川」に訪れたのは、この春が過ぎた頃だろうか? 味の詳細については後述するが、私は宮川の唐揚げにいたく感動してしまった。

「これは多くの人に伝えたい」と思う一方で、ランチ時の店内は常に満席。店の外には当然のように行列が出来ている。そこで物腰の柔らかいご主人に身分を明かし、掲載の可否を伺ったところ「ごめんなさい、ちょっと……」とのことであった。

私は「そりゃそうだよな」と納得して店を後にし、その後は2回ほど仕事抜きで「やきとり宮川」を訪れている。すでに繁盛しているお店だ、特にメディアに露出せず地元の人に愛され続けるお店も素敵ではないか。

……と思っていたため、スシローの『白い唐揚げ』には心底驚いてしまった。もちろん同商品には「やきとり宮川監修」と記されている。こ、これはいったい……?

・まさかの監修

真相はわかりかねるが、1つだけ言えることはスシローの『白い唐揚げ』が美味しければ、ユーザーにとってこんなに喜ばしいことはないということ。いくら美味しくても東京のお店である。地方にお住まいの方は、それだけで諦めてしまう方も多いハズだ。

とはいえ「しょせん監修だしな~」と思っていたことも正直に告白しておく。フライドポテトを筆頭にスシローの揚げ物は確かに美味しいが、宮川級のウマさを求めるのはさすがに酷であろう。やや半信半疑でスシローに向かった。

で、スシローの『白い唐揚げ』は1人前360円(店舗によっては370円、390円)。提供期間は10月29日までで、38万食の販売を予定しているとのことである。

どうか『白い唐揚げ』よ、美味しくあってくれ。少なくとも「全くの別物」はやめてくれ。どうか宮川がしっかり監修していますように。そしてスシローがきっちり仕事をしていますように……!

・おや?

やがて到着した『白い唐揚げ』は、確かに宮川風の白い衣の唐揚げである。サイズ的はかなりの差があるものの、宮川流の「味ぽん」も添えられていた(宮川では特製のポン酢。味ぽんではない)。

まずは味ぽんを付けずにそのまま食べてみると……おや? 意外と近いかもしれない! 宮川の唐揚げは衣を突き抜けた瞬間に鶏の旨味がドバドバあふれ出してくるのだが、白い唐揚げも方向性は同じ! レベル差はあるにせよ、やろうとしていることはしっかり伝わってきた。

さらに味ぽんをつけても、唐揚げ自体が味ぽんに負けていないところも好印象。衣の食感も宮川に近く、少なくとも「宮川の遺伝子が流れる唐揚げ」とは言ってもいいだろう。スシローに登場した唐揚げの中では、過去最高レベルのウマさではなかろうか?

当然、お店で食べる宮川の唐揚げとはレベルが違う。……が “宮川の親戚くらい” は言ってもいいと感じた次第だ。名店「やきとり宮川」の気配が感じられる『白い唐揚げ』をぜひご賞味いただきたい。スシローもGJである。

参考リンク:スシロー
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.