先日、当サイトの記者5名がスシローで10万円以上食べるべく店に向かった。簡単なチャレンジではない。きっとめちゃくちゃ過酷なんだろうな……と思うと同時に、私は正直なところ「スシローの美味しさが伝わるのか?」ってことが心配で仕方がなかった。

なにせ企画の性質上、参加者の「もう無理〜」的な写真が掲載されるはず。それを見た読者の中には、「苦しそうだから料理自体はあまり美味しくないのかな?」と勘違いする人がいるかもしれないからだ。

もしそのような誤解を与えることになったら、取り返しがつかない。ここは何としても美味しさを伝えたい。そのためには、1人くらいスシローをただ楽しみまくるヤツがいた方がいいのではないか? 

──と考えた私は、スシローで10万円以上食べると豪語する中澤星児ら5名をこっそり尾行し、同じ店で優雅にランチしてみることにした。

・はたから見た10万円食べるもんズ

バレないよう時間を置いてお店に入った私は、まずビールを注文。昼から1人だけ楽しもうと思ったのだが、ビールが来るのを待っている間にさっそく10万円チャレンジの厳しさを見せつけられることになった。というのも、席からこっそり視線を上げてみたところ……



なんということだろう。1時間前までは元気だった同僚の顔が完全に死んでいたのだ。カメラ目線ではない “素の表情” からは、「何のためにこんなことをしているのか?」という気持ちが垣間見えるようである。


おっと、いかんいかん。今回の私の使命は単純にスシローを楽しみまくることだった。ちょうどビールも来たことだし、こちらはこちらで仕事をすることにしよう。では……いただきます!



カッ!



カーーーッ!!



染みわたるっっっ!!



仕事中に飲むビール、死ぬほど美味い!!!!


ちょうどいいタイミングで、ビールのアテに頼んでいた 『特大えびフライ(税込550円 ※都市型店舗価格。以下同)』が来た。


これがまたデカい! 奥に置いた『手羽唐揚げ(税込385円)』がまるで砂肝に見えるほどである。えびフライがテーブルにあるだけで、他の料理の大きさがバグる。それだけのジャンボサイズでありながら、普通に美味いというのがまた憎い。

ひととおりビール&揚げ物の組み合わせを堪能したところで、アジ・サンマ・イワシ・サバの青魚系を攻める。格安の寿司店では大ハズレも珍しくないネタだけに、チェーン店で注文するのは個人的に勇気がいるのだが……


良い。かなり良い。この味で1皿100円台という価格を考えたら、狙い目と言っても過言ではないように思う。それから、今回のスシローで忘れられなかったのは、約1000円の『天然インド鮪7貫食べ比べ(数量限定)』である。


10万円に挑戦する記事では胃袋にトドメを刺す死刑執行人的な役割として登場したが、このセットは単純にコスパが素晴らしい。もしマグロ系が好きなら最初に注文し、7種のうちどれが一番自分の舌に合うかを確認してから、そのネタを追加オーダーするのがオススメだ。

そしてコスパといえば、約400円の半ラーメンと約100円の大学いもを忘れてはいけない。どちらも量が多いわけではないものの、むしろそのボリュームがちょうどいい。最近コンビニで「ミニ弁当」が流行っているようだが、スシローは時代の一歩先を行ってたのかもしれない。


・「限界を越えた人間の笑顔」を見た

さて、こんな風に楽しんで合計金額は約5000円。このまま同僚に一言も告げずに帰る……のはなんとなく気が引けたので、軽く挨拶すべく、そしてどんな表情なのか確認すべくスマホを構えて近づいたら、


援軍が来たーーーー!


と言わんばかりの表情が撮れていた。しかし、私はすでにほぼ満腹。なにより、酔っていた。その旨を5人に伝えたのだろう。私のスマホには……



絶望しか感じない笑顔が残っていた。


この表情、見方によっては10万円チャレンジの過酷さを何よりも雄弁に伝えていると言えるだろう。

では、それほどまでに死力を尽くした5人は10万円を超えることができたのか? 気になる方は以前の記事「スシローで10万円食べられるのか? 男5人でガチリベンジした結果 → 人間の本性を垣間見た」でご確認いただきたい。

私が言えるのは、彼らは限界を越えていたということ。それだけだ。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.