私(佐藤)は朝、出かけるときに必ずといって良いほど、自販機でコーヒーを買う。夏ならアイス、冬ならホットだ。最寄駅のJR中野駅のホーム上の自販機で購入することが多いのだが、ある日の朝、利用しようとした自販機の貼り紙に気づいた

5番線ホームの自販機でコーヒーを買おうとしたら、使えなかったのである。「なんだよ……」とガッカリしつつ、貼り紙の文言を読んだところ、その内容に自販機業者の誠意を感じたのだった。

・自販機のお詫び

朝は絶対にコーヒーを飲みたい。飲まなければ、快く出かけることができない。家で淹れれば良いのが、若い時に現場仕事をしていた名残りで、自販機で買うことが身体にしみついている。

その当時は缶コーヒーと始業前の一服が至福だった。今では、電車に乗る都合上、缶ではなくペットボトルのものを買っている。

さて、その日もホーム上に自販機を見つけて歩み寄ってみると……、ミルクの入ったコーヒーしかない。ブラックじゃないと~。なんでミルク入れちゃうのよ、もう……。


振り返ると、後ろの自販機にブラック発見! ペットと缶の2種類もある。やったね!


が! 使えない……。コイン投入口も札の投入口も、ICカードのタッチ面も、自販機そのものの鍵穴も全部テープでふさがれている。

「絶対に使わないで!」という強い意志のようなものを感じるぞ。こりゃ一体、どういうこと!?




よく見たら、「お客さま各位」の貼り紙があった。この自販機は調整中とのこと。残念、ほかの自販機を探すか。


今一度貼り紙を見直すと、その隣の「お詫び」とあった。その内容は……。


「平素は自販機のご利用ありがとうございます。当自販機で販売させていただいていております下記3商品について、定価より高い価格で商品を販売してしまったことが判明しました」


なんと! そんなことがあったのか。で、その販売対象期間と対象商品は次の通り。


対象期間:2023年8月31日(木)
対象商品:朝の茶事 味わい玉露入り275P(販売本数2本)
ウィルキンソンタンサンレモン500P(販売本数3本)
いろはす540P(販売本数1本)



それぞれの商品の定価は120円だったのだが、何らかの理由で130円で販売してしまっていたらしい。つまり10円ずつ高く×6、合計60円を余計にもらっていたというわけだ。

それを返金すると伝えているのである。

販売期間はたった1日、おそらくこの自販機を稼働してすぐに価格の誤りに気づき、稼働を停止してお詫びを貼り出したのだろう。迅速に対応し、10円とはいえ返金すると申し出ている姿勢に誠意を感じる



とはいえ、購入者は気づくだろうか? ICカードやQR決済なら10円高かったことにさえ、気づかない可能性もある。また仮に気づいたとしても、現金で払っていたら購入を証明するのが難しい。

とにかく購入した人に10円が戻ることを願っている。いずれにしても、私はこれからも毎日のようにコーヒーを買う。そしていつでもコーヒーが買えることに、深く感謝している。

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24