突然だが、皆さんは「格安切符自販機」というものをご存じだろうか? 私(中澤)は知らなかった。姫路で見かけるまでは

JR姫路駅前の東口を出てすぐ、ドーミーイン姫路との間くらいで異様な存在感を放っていたこの自販機。余白に所せましと張られた貼り紙は、切符が正規価格より安く購入できることをガンガンアピっているではないか。なんじゃこりゃあッ!

・買ってみた

というわけで、とりあえず買ってみた。ちなみに、自販機のボタンには「姫路→加古川」という感じで行先が書かれており、片道切符も往復切符も売っている。私が購入したのは播州赤穂行きで560円だった。ボタンには正規価格580円で20円お得と書かれているが、姫路から播州赤穂は現在590円なので、大分昔からあるのかもしれない。


自販機から出てきたのは片手サイズの白い箱で、その箱の中に新幹線の切符みたいなサイズの普通切符が1枚入っている。みどりの窓口などで買える普通回数券だ。


自販機には箱を捨てる用のゴミ箱もついていたので、箱はそこにポイ。下手なジュースの自販機より気が利いているかもしれない


その足で姫路駅に行き、電車に乗ってみたところ、全く普段と変わることなく乗ることができた。入る時も出る時も改札で引っかかることはもちろんない。スルッスルである。

・JRに聞いてみた

でも、なんかよく分からないけれどちょっぴり不安。「正規の価格より安い」ってグレーな響きすぎやしないか? そこでJRに聞いてみた。これ大丈夫なんですかね?

JR「おそらく、金券ショップ等と同じかと思われますが、お客様が購入されたものですので、その後の使い方については我々が何か言えるものでもないと考えております」


──とのこと。言葉の響きが怪しいだけで、JRとしては特に問題ないようである。ちなみに、問い合わせを対応してくれた人も格安切符自販機の存在は知らないようだった

・グレーというかセピア

ここで「格安切符自販機」でネット検索してみたところ朝日新聞の記事がヒットした。詳細は記事を見ていただければと思うが、以前は関西に多かった格安切符自販機が消えつつあるという内容である。

2018年の記事なので、今はもっと少なくなっているに違いない。言わばこれは前時代の遺物。そう考えると、グレーというかセピアである。歴史ある町姫路はノスタルジーを噛み締めたのであった。

参考リンク:朝日新聞
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.