宮崎駿監督、10年ぶりの長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』が大ヒット上映中だ。記者も早々に見に行ったが、これぞ宮崎駿の真骨頂な仕上がりに震えた。

同作はパンフレットを後日発売するそうで、そちらも楽しみにしている。映画パンフレットは作品を深堀りできるだけでなく、目に見える形でその時の空気感を留めておけるところが良い。

実はスタジオジブリは過去作の映画のパンフレットを復刻しているのだが、御存知だろうか。内容はもちろん、広告なども当時のまま。開けばあの時の、または知らない時代の風情が感じられること請け合いだ。


・「TOHO animation STORE」サイトなどで購入できる

長くにわたり作品を生み出し続けている宮崎駿監督とスタジオジブリ。多くの人が自分にとって思い出深い1本はこれ、というのがあるに違いない。

記者は幼いころ金曜ロードショーでやっていた『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』をビデオテープに録画し、何度も何度も繰り返し見ていた。セリフも割と空で言えると思う。


小学生の時には『もののけ姫』を映画館で見て感動し、今度は販売されているビデオを買ってもらった。学校の音楽の時間には「アシタカとサン」を合奏したり、主題歌を合唱した覚えがある。

そのほかの作品もテレビで見たりレンタルしたり映画館で見たりと、それぞれに思い出があり特別だ。しかし子どものころはパンフレットを買うという発想がなく、残念ながら手元にない。

大人になってから「ビデオよりもパンフレットを買ってもらうべきだったかなあ」と思ったりしていた。そんなある日、かつてのパンフレットやポスターが復刻されていることを知る。

なんでもTOHO animation STOREサイトほか、ジブリパークや三鷹の森ジブリ美術館などで販売しているらしい。いやはや、まさかこんなにも時を経てから手に入れられるチャンスが巡ってくるだなんて。



・ずっと眺められてしまうパンフ

記者はTOHO animation STOREサイトで購入したが、パンフレットはいずれも税込1100円だった。お手頃価格である。さっそく手元に届いたものを見ていくとしよう。

『風の谷のナウシカ』の上映時はまだ生まれていなかったが、パンフレットをめくると当時の熱量が感じられる。しっかりと作品のポイントを伝える内容で知らないことも多々あり、読み応え十分だ。

『となりのトトロ』くらいになると、作品のグッズ展開にも力を入れ始めたのだろうか。パンフレットの最後に、関連商品の通信販売コーナーが設けられていた。

そこには本当に公式商品かしら……と疑いたくなるようなトトロが掲載されていて、それはそれで欲しくなるユニークな出来だった。この数十年で、ぬいぐるみ製作技術も随分進化したようだ。

『紅の豚』までくると、こなれ感というか、パンフレットの雰囲気にもスタジオジブリらしさが出てきているように見えた。冒頭に書いた通り、広告も当時のままなところも良い。


いやあ、これは面白くて永遠に眺め続けられてしまう。昔を思い出して懐かしくなったり、また作品を見返したくなったり、新しい気付きを誰かに伝えたくなったりと、さまざまな感情が湧き出て来る。

作品を知っている人が楽しめることは確実、そうでない人もジブリ作品に触れるきっかけとして最適だと感じた次第。パンフレットひとつからでも魅力があふれ出るスタジオジブリ作品は、やっぱりすごい。

参考リンク:スタジオジブリ 劇場パンフレット、ポスター
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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