群馬県館林(たてばやし)市といえば、全国有数の「暑いまち」として有名だ。しかし実は、数年前までアメダス(地域気象観測システム)の設置場所が消防署の駐車場で「高温になりやすいのでは?」「ズル林」などと言われていたらしい。本当に館林市は暑いのだろうか。

そこで今回は、暑さのプロと言われる “サハラ砂漠の民” が「外出は極力控えるべき暑さの日」に群馬県館林市にやってきた。果たしてプロは館林市を暑いと判断するのか、それとも涼しいのか……さらに! プロが見つけた “館林市の最も暑い場所” も併せて紹介したい。

・涼しいデザインの館林駅

まず “サハラ砂漠の民” とは私のこと。モロッコのサハラ砂漠で生活をするベルベル人のもとでラクダ使いの修行を続け、ついに彼らから「アリ」と名前を付けてもらった。そんなわけで今でも年に1〜2回、ラクダを引くためにサハラ砂漠に足を運んでいる。

言うまでもなく、サハラ砂漠での生活は暑い。移動をするのは朝と夕方。気温の高い日中は日陰にいるのが基本である。喉が渇いた時には、砂糖をどっさり入れたミントティーを飲む。甘さで疲れが癒されるだけでなく、ミントの香りで後味スッキリ。砂漠では定番だ。

そんな砂漠の民から見て、群馬県館林市は暑いのか。検証のために訪れたのは、東武鉄道の館林駅。東口はカルピスの水玉模様にラッピングされていた。

おそらく人気施設「カルピスみらいのミュージアム」のPRのためだと思われるが、なんとも爽やかで涼しげなデザインである。良くも悪くも暑さを忘れさせてくれるようだ。

ちなみに駅前には「巨人軍栄光の初V 不屈のG魂誕生の地 分福球場」と刻まれた石碑とタヌキの像が設置されている。童話『ぶんぶく茶釜』のゆかりの茂林寺が市内にあるのだとか。そんなタヌキの横にソーラー式の温度計が設置されていた。2023年7月11日11時時点で……

33度。カルピスのデザインに癒されたが、実際には熱中症に厳重警戒するレベルの暑さである。そして数分後には……

34度。日差しがジリジリと強く照りつけていて、みるみる気温が上昇……間違いなく、危険な暑さだ。一般的に「砂漠は強烈な日差しでカラダが焼かれるような暑さで、日本は熱気がカラダにまとわりついて気持ち悪い暑さ」と言われているが、日差しも十分強力である。


・プロが最も暑さを感じたスポット

タヌキのすぐ奥には「」というタイトルのブロンズ像が設置されていた。強烈な日差しを浴びているブロンズ像のどこが「爽」なのだろうか。むしろこれほど暑さを感じさせるスポットはない。自称「暑さのプロ」の私でも暑さを感じてしまうスポットだった。


・ついに35度

もう少し市内を歩いてみる。やはりターバンは日除けに最適だ。ふわっと軽い布を巻いて空気をふくませることで暑さや寒さを抑える効果があるうえに、巻き方をアレンジすれば砂や風から顔を守ることもできる。

再び温度計を発見した。今度は35度。いよいよ本格的に危険なレベル……館林をナメていたかもしれない。暑さに慣れている私でも水分補給は必須だ。

ちょうど水飲み場があったので顔を洗っておく。助かった……よく言われていることだが、脱水症予防は「喉が渇く前の水分補給」が基本。喉の乾きはすでに脱水が始まっている証拠。気をつけること。

クソッ。このくらいの暑さなら余裕だと思ったが……やっぱり館林はアチィィ。日差しの強さだけで言えばメルズーガ(砂漠の街)の方がキツいだろう。しかし湿気がない分、日陰に入るとヒンヤリ涼しいのだ。一方で、館林(日本)は路面も激熱で逃げ場がない。地獄かよ。

というわけで、砂漠の民も館林の暑さは耐えがたかった。今後も暑いことで知られる熊谷や多治見に足を運ぼうと思っている。温度計だけでは分からない本当の暑さを体験するために……それではまた。インシャ・アッラー(未来を語るときに使う挨拶)。


執筆:サハラ砂漠の民・アリ
Photo:RocketNews24.