2023年4月8日、那須川天心(24)がプロボクシングのデビューを果たす。この模様はAmazonプライムビデオで独占ライブ配信されるとのことだが、あなたはこう思ったことは無いだろうか? 「なぜ地上波で放送しないのか?」と。

今回の一戦に限らず、最近のボクシングのビッグマッチは配信系ばかり! いや、普通に地上波で放送すればええがな。気になったので知人の業界人2名に「なぜ最近のボクシングのビッグマッチは地上波で放送しないのか?」を聞いてみることにした。

・盛り上がるボクシング

今さら申し上げるまでもなく “モンスター” こと井上尚弥選手の活躍もあり、昨今のボクシング業界はかなりの注目を集めている。“神童” こと那須川天心選手のボクシングデビュー戦も「地上波でやってたら普通に見る」という方も多いのではなかろうか?

だがしかし、最近のボクシングのビッグマッチはほとんどが配信系であり、地上波でのビッグマッチはちょっと記憶にない。いくつかのビッグマッチを振り返ってみよう。


2022年12月13日: 井上尚弥 vs ポール・バトラー …… dTV
2022年6月7日: 井上尚弥 vs ノニト・ドネア …… Amazonプライムビデオ
2022年4月9日 村田諒太 vs ゲンナジー・ゴロフキン …… Amazonプライムビデオ


さらに言えば2023年7月に開催される「井上尚弥 vs スティーブン・フルトン」の試合も、NTTドコモの新サービス「Lemino(レミノ)」で放送される。地上波で放送されれば高視聴率もかなりの確率で見込めるにもかかわらず、だ。

・なぜなのか?

いつの間にボクシングのビッグマッチは地上波から姿を消したのか? そしてなぜ配信系サービスばかりの放送なのか? 今回はテレビ業界のAさんと、ネット配信系サービスのBさんに理由を聞いてみることにした。


テレビ業界のAさん「うーん、直接携わってるワケじゃないから確信はないけど、単純に放映権が高いんじゃないのかな? ワールドカップもABEMAで放送してたけど、とんでもない額を払ってるんだと思うよ。普通に考えてボクシング側もテレビより高い金を払ってくれる配信系の方がいいんじゃないかな?」


ネット配信系のBさん「普通に配信系の方が高い金を払ってるからだと思いますよ。テレビは放送枠があってそれをスポンサーが買うんですけど、たぶん桁違いの金額なんじゃないですかね。配信系サービス側としても、スポーツのビッグマッチは割りがいいんじゃないですか?

例えば面白いバラエティー番組を作っても、やっぱりテレビの方が話題になりますもんね。視聴率と再生回数の違いがあるので一概には言えないんですけど、時間をかけてコツコツ作る番組より1発で回収が見込めるスポーツのビッグマッチの方が効率的なんだと思います。サービスそのもののPRにもなりますし



両者に共通していたのは「テレビよりも配信系サービスの方が高い額を払っているのでは?」ということ。言われてみると極めてシンプルな理由ではあるが、そういうことなのだろう。裏の取りようがないので断言は出来ないが、資本主義の原則にのっとった納得の理由である。

まあ視聴者としては「放送を見られればOK」なわけで、それがテレビであろうと配信系サービスであろうと大きな問題ではないハズ。かつてはテレビ放送があたり前だったと思っていたが「別にどっちでもいい」と思えること自体が、時代の流れを象徴しているのかもしれない。

参考リンク:Amazonプライムビデオ「那須川天心 vs 与那覇勇気」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.