折りたたんでコンパクトに収納できる「自転車のカギ」をAmazonで購入した。スチール製のプレートが連結された「フォールディングロック」と呼ばれるタイプのカギで、ブレードを重ねて折りたたみ、専用のケースに入れてスマートに持ち運べるのが特徴である。

しかもチェーンやワイヤーに比べて切断にも強く、工具を使っても簡単に切れないという。商品ページにも「ポケットに入るコンパクトサイズ」「破断やねじりにも強いスチール製プレート」と書いてあった。これは期待できる……そう思ったのが間違いだった。

・Amazon最低の自転車のカギ

価格は990円。大切な自転車を守るためなら決して高い金額ではない。「軽量コンパクトで切断にも強い」という話が本当ならむしろ安過ぎるくらいだ。


箱の中身を確認すると、フォールディングロック本体、カギ3本、説明書が入っていた。


なるほど、手にすっぽりと収まるサイズ感である。大きさも重量もスマホとほぼ同じ。ズボンのポケットにも余裕で入るから持ち運びは楽そうだ。これで防犯性能が高かったら完璧。


開封したついでに使い方も簡単に説明しておくと、ブレード部分を本体からクネクネと引っ張り出して……


先端のブレードを本体固定部に挿入したらロック完了。ホイールとフレーム、つまりタイヤと自転車本体をくるっと巻いて固定するわけだ。ちなみに全長は約90センチである。ちゃんと使えそうな気がするのだが……


・気になるコメント

ユーザー評価は最低の1……コメントを確認すると「ダイソー以下の強度」「10秒あれば素手で破壊できる」「戸愚呂0%でも破壊可能」などと書いてあった。


もちろん戸愚呂とは漫画『幽遊白書』に出てくるサングラス姿のボスキャラのことで、筋肉を増大させてパワーアップするのが特徴である。すなわち「戸愚呂0%」とは、筋肉ゼロのサングラス男ということだろう。


そういった意味では、私も「戸愚呂0%」と言っていいかもしれない。というわけで……


・戸愚呂0% 対 自転車のカギ

ただのおっさん(戸愚呂0%)が、本当に素手で自転車のカギを破壊できるのか検証してみることにした。てか、私が簡単に破壊できるようなら、カギの信頼度は0%である。


それでは試合開始です。なるほどたしかに細いぞ……


…………



5秒後……


メキッ!


戸愚呂0%の勝利。



弱点の関節を攻めたら一瞬で壊れてしまった。あっけない勝利である。とはいえ、女性や子供が簡単に壊せるようなものではないだろう。


しかし戸愚呂の前ではただのオモチャ……軽くて持ち運びやすいものの、強度は不安という残念な結果に終わってしまった。

【完】


参考リンク:Amazon「フォールディングロック」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.


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