Amazonでスピーカーを買った。ただのスピーカーじゃない。宙に浮く不思議なスピーカーだ。商品説明によると「電磁石と永久磁石のダブルパワー浮遊で、わずかな空気の振動でも回転し続けます」とのこと。つまり空中でグルグル回り続けるスピーカーってことである!
しかも1度浮かんだスピーカーは「ちょっとした振動や接触でも落ちないようホットスポットに包まれていて安定したオブジェになります。また、浮上したスピーカーはほとんど摩擦がないため1度回転を加えると半永久的に回転を続けます」ってマジかよ。実際に使ってみました。
・宙に浮くスピーカー
とてもユニークなスピーカーの名前は「磁気 浮揚 スピーカー LED インテリア スマート 磁石の力で宙に浮く不思議なスピーカー(6777円)」である。プカーっと浮かぶだけでなく、クールなブルーライトで注目度アップ間違いなしだそうだ。
しかし、レビューには「すぐに壊れる」「浮かすことが難しく根気と努力が必要」「販売元に報告するも音沙汰なし」「本当に買わなければよかった」と書いてあった。なるほど……逆に言えば、根気と努力でスピーカーを浮かすことができたら半永久的に回るってことだろう。
こんな感じで浮くそうです。
箱の中身を確認すると、宙に浮くスピーカー本体、ベース、補助スタンド、ACアダプタ、説明書(英語)等が入っていて……
ダンボールの底に日本語説明書のコピーも入っていた。さっそく使い方を確認すると……
まず、スピーカーのUSB充電口に付属のUSBケーブルを接続して充電を行う。約3時間でフル充電となり、約5時間の連続使用が可能となる。ふむふむ。
つづいて、ベース部分にACアダプタを接続して平らな場所に設置する。
んで、ここから根気と努力が必要。Bluetooth接続したスピーカーを両手でしっかり持ちながら、ベースの中央上部に持っていく。浮上ポイントを見つけるために左右前後に移動させながら、バランスの取れるポイントを探すのだ。
スピーカーは「磁石の力」で浮く仕組み。冒頭でお伝えしたとおり、電磁石(電気が流れている時だけ磁石になる)と永久磁石(外部からのエネルギーを必要としない磁石)のダブルパワーで浮上するため、ちょっとした振動や接触程度では落下しないという。
説明書によると、ベース側のブルーライトが光っていたら「バランスの取れている状態」らしい……しかし、明らかにバランスが取れていなくてもブルーに光っている。こうなったら根気と努力で浮上するポイントを探すしかないだろう。大変だが浮かせたら勝ちなのだ。
しかし磁石のパワーがあまりにも強く、思ったよりも浮かせるのは難しい。信じられないほどの勢いでスピーカーがベースに引き寄せられて落ちるのだ。隕石のように落下を繰り返すスピーカー。大人が壁に向かってボールを投げるレベルの衝撃を繰り返していた。
レビューに「壊れやすい」と書いてあったが、こんな衝撃を連続で受けたらそりゃ壊れるだろう。たしかに根気と努力は必要だが、スピーカーが壊れる前に “浮かせるコツ” をつかまなければいけない……約7000円のスピーカーを簡単に壊すわけにはいかないのだ。
ちなみに「補助スタンド」を使う場合は、最終的に「浮上ポイントでスタンドを引き抜く」という高難度のワザを成功させる必要がある。ジェンガとは比べ物にならないレベルの緊張感。スーッと静かに引き抜かないと「ズダンッッッ!」と激しく落下させてしまう。
それから数十回落下させた後、とうとう “その瞬間” がやってきた。なんとか壊れる前に……
浮いた……!
浮いたのである……!
しかし
ズダァァンッッッッ!!
すぐに激しく落下した。待て待てマジでぶっ壊れそうなんですけど。音質の良し悪しを語る以前の問題である。ちょっとした振動や接触どころか、物音ひとつ立てずに見守ったつもりなのにズダァァァァアン! こっちの心臓が止まりそうです。
ダダンッ!
場所を変えても……
ッダァァァアアアアアアアンン!
ほぼ1日かけて検証した結果、最長浮遊記録は25秒だった。25秒が永遠のように感じられたことは記述しておきたい。あまりに痛々しい落下を繰り返すので、最終的に「もう……浮かなくていいよ」と思ってしまった。なんかもうかわいそうなのだ。
ちなみに浮上させなくてもスピーカーは使えたので、丸いスピーカーが欲しい方は購入を検討してみてもいいかも。ただ、私なら絶対に買わない。ってことで、現場からは以上になります!
参考リンク:Amazon「磁気 浮揚 スピーカー LED インテリア スマート 磁石の力で宙に浮く不思議なスピーカー」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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