2022年が始まってまだ2か月しか過ぎていないが、早くも今年最高のゲームが決まったかもしれない。2月25日から販売が開始された、フロム・ソフトウェアの最新作「エルデンリング(税込み9240円~)」だ。
ゲーマーの方なら、発売に先駆けてレビューしていた世界中のゲーム系メディアによる異常な高評価っぷりは、ご存じのことだろう。筆者もとても楽しみだったので、午前0時にゲット。徹夜でプレイしていたのだが……相変わらずフロムはやべぇな。
・エルデンリング
さて、当サイトは特にゲーム専門メディアというわけではないので、レビューの前に「エルデンリング」について簡単に紹介しておこう。
製作は「デモンズソウル」や、「ダークソウル」シリーズなどで知られるフロム・ソフトウェア。本日発売された「エルデンリング」も、これら「ソウル」系作品のプレイフィールを受け継いでいる。
しかし、受け継がれたのはプレイフィールのみ。今作では「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作者George R.R. Martin氏が製作に参加し、世界観は完全に別物だ。
また、フィールドもオープンになり、馬に乗って荒野や草原、森などを駆けまわったりすることができる。具体的な世界観の設定や雰囲気についてはYouTubeの公式トレーラーをご覧いただきたい。
・実際にプレイした感想
それでは実際にプレイしてみてどうだったのか? まずはフィールドの探索について。これは「オブリビオン」や「スカイリム」(建築物や人型の敵)、時々「FF14」(一部の植物やら水生生物がモチーフっぽい敵)みたいな感じがした。
何でも無さそうな廃墟に、唐突に地下ダンジョンへの入り口があったり、急にどこからともなく現れた敵に襲われたりする点も、それらのオープンワールドなRPGでありがちな体験に近いものがある。
自由度は非常に高く、ストーリーはちゃんとあるのだが、別にそこに沿ってプレイするよう強いられることは無い。好き勝手に色々とやりつつ、メインのストーリーに繋がる場所に行くと、そこで展開が随時進む感じ。
・オープンぎみ
ただし、真のオープンワールドとは少し違うようにも感じた。昨今ではオープンワールドのレベルが高くなりまくっているため、同じオープンワールドでもオープン度に差が生じている。
例えば、最も真にオープンワールドなゲームの一つ「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は、心底オープンなため、始まりの台地からラスボスを狙撃するプレーヤーが出たりした。
「エルデンリング」のオープン度は、その水準ではない。確かにフィールドはオープンで、ダンジョンへの侵入やボスとの闘いも全てシームレスだ。
しかし特定の条件を満たさなければ先のフィールドに干渉できない仕組みが往々にして用意されており、どうにかして変化を生じさせても、リセットされたりする。昨今のオープンワールド事情的に上・中・下で言えば、中くらいのオープン度だと思う。
・ソウル系との違いは
続いては、「ソウル」系との違いについて。ぶっちゃけプレイフィールや難易度、ダンジョンでの敵の配置に満ちる悪意は「ソウル」系のそれ。
しかし、今作では従来の「SEKIRO」などで培ったと思しきエッセンスの存在も感じられる。「ジャンプ」や「しゃがみ」による隠密行動、そして背後からの暗殺などだ。
戦い方に選択肢が増えて自由度が高まった結果、より洗練された印象を受ける。端的に言って、操作周りへのストレスが減った。この辺は満足度が高いのではなかろうか。
筆者もまだ序盤も序盤までしか進めていないのだが、今のところの感想としては、「骨太かつ壮大なファンタジーワールドで行う、過去イチ プレイフィールが良くなったソウル系」という感じ。
・始まらない
ということでかなり満足度が高いのだが……実は筆者、レビューのために探索やストーリーを進めたセーブデータは放棄することに。どうしても我慢ならないことがあって、再びニューゲームでスタートしたのだ。
その理由は、ほとんどのプレーヤーが一番最初に出会うであろう、1体のモブエネミーにある。チュートリアルを終え、初めて外に出てすぐのところをトコトコと歩いているヤツだ。第一村人ならぬ、第一モブエネミー。
ようし、さっき覚えたばかりの、背後から暗殺するムーヴを実践してみようではないか。そう考えた筆者は、このモブエネミーにこっそり近づき……
ザシュ!! 決まった……ッ!
なんかHP多くね? こんなもん?
は? 痛すぎんだろ!!! 1発食らっただけで瀕死なんだが? 2発食らったら死ぬやんけ。第一モブエネミーのくせになんという。
あっ
YOU DIED
筆者はこの手のゲームにおいて、出会った敵は出会った時に全てブチ殺したいタイプ。いわゆる「負けイベ」的なものなら気にしないが、システム上倒せるなら倒さないと気が済まない。
このモブエネミーも例外ではない。最初はこの記事の執筆のため、こいつをスルー(ゲーム的には普通に倒さず進められる)してどんな仕様なのかチェックするべく探索に精を出したが、本格的にプレイするとなれば話は別。
こいつを最初に倒さなければ、筆者のエルデンリングは始まらない。もう5時間プレイしたが、まだ実質0時間。
それにしても、こんな敵をスタート地点にポンと置いておく辺り、さすがフロムだぜ。時間がいくらあっても足りない気配。間違いなく神ゲーです。
ちなみにアクションが全く苦手な方や、例えば「Pokémon LEGENDS アルセウス」くらいのアクションがちょうどいい方、アクションはアクションでも「無双」シリーズみたいな爽快感がお好みの方には向いていないゲームだと思います。
参考リンク:YouTube
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼YouTubeの公式トレーラー