いよいよ発売が来月に迫った『FINAL FANTASY VII REMAKE』(以下FF7R)だが、2020年3月2日に突如として体験版の配信が始まった。もうプレイした方も多いだろう。

発売を待ち望んでいる筆者もさっそくクリア。TGS2019で試遊できた時と同じボスが相手だったが、道中がやや追加。また、クラウドでできることが以前より増えていてテンションが上がった! こいつは発売が楽しみだぜ!!

・モードチェンジ

TGSではできず、体験版でできるようになっていたクラウドの操作としては「モードチェンジ」がある。どうやら通常時のクラウドは「アサルトモード」だったようで、△を押すと移動が遅くなる代わりに通常の攻撃が何だか強そうな感じのものになり、ガードでカウンターしたりできるようになる。

TGSで試遊した時は、ひたすら□を連打し、合間で適当にアビリティやらアイテムやらを使うだけの単調なものだった。通常攻撃にも選択肢が増えているのは普通に嬉しい

バレットの方はぶっちゃけよく覚えていない。△で「エネルギーリロード」というスキルのチャージを早める行動が可能になってることくらいだろうか? あとなぜか魔法の「エアロ」が無くなっていた。



これは完全に気のせいかもしれないが「サンダー」の威力が弱くなっているような気もする。TGSの時は時間制限もあったので火力高めにしていた……のかもしれないが。とりあえず「サンダー」を撃っておけばゴリゴリ削れるみたいな感じではなくなっていた。

同じボスだと思って(動きやギミック自体は同じだと思う)余裕ぶっこいて挑んだら、こっちの攻撃が思っていたほど通らず、少し苦戦した。体験版のボスって、製品版だと普通に最初のボスだよな。最初のボスにしてはめちゃくちゃ硬い気がする


・ガード必須で疑似的にターン制なのでは

TGSの時には1度しかプレイできず、あまりよくわからなかったプレイのコツみたいなものも、体験版を周回していたら見えてきた気がする。例えばガードだ。

攻撃以外の戦闘中の動きには「回避」と「ガード」があるが、「ガード」がとても重要な雰囲気。なぜなら「回避」は言うほど回避できないから。ぶっちゃけ戦闘時の移動用スキルみたいなレベルである。雑魚相手ならいいのだが、ボス相手だと回避不能な技が多く、動きを見切ってガードするしかないのだ。



そんな具合なので、勢いに任せて適当に突っ込んだら割とあっさりHPが無くなる仕様である。慎重にボスの動きのパターンを覚え、ガードでダメージをおさえて地道に戦うことが求められる感じ。難易度は高めで、体験版のボス相手ですら全滅もあり得る気がする

アクションRPGなのでそういったアクション要素は当然なのだが、それこそ「モンスターハンター」シリーズ並みに敵の動きのパターンを暗記する必要がありそうな気配。ただしクラウドさんには、モンハンの主人公ほどの回避力は無いという。

しかし、もし反射神経次第で何でも回避できるような感じだと、完全にアクションゲームになってしまう。もしかしたら、それを防ぐためにガードをマストにしたのかもしれない。ボスのパターンを覚えて安全に戦おうとすると「2回斬ったら1回ガード」のような感じで動きを縛られ、疑似的にターン制みたいになるので。


・戦闘中のカメラ

そのあたりの戦闘システムについてはプレイヤーの好みもあるだろう。個人的にはアクション強めな点も、やや高めに思える難易度についても全く不満はない。

なお、ここまで書いてきたプレイフィールは、あくまで難易度「NORMAL」(標準的とされているが、体験版だと一番難しい)である。この下に難易度を下げた「EASY」が。そして「EASY」と同じ難易度でさらにアクションをAIがやってくれる「CLASSIC」が用意されている。

「CLASSIC」を選べばキャラクター達が勝手に攻撃やらガードやらを駆使して戦ってくれて、プレイヤーは昔のFF7のようにコマンドを選ぶだけでよくなる。アクションが苦手な方でも「CLASSIC」なら余裕でクリア可能だろう。

そんな感じで、システム的には割とアクション好きからコマンド制RPG派まで、幅広く配慮がされている。ただし、明確に不満を感じたことが1つある。それは、戦闘時のカメラ周りだ。最悪とまでは言わないが、正直ストレスを感じる。

とりあえず、もっとカメラの距離を離せるようにして欲しいのと、追従の精度を上げてほしい。そして狭い場所での戦闘中は、カメラが壁などのオブジェクトを透過できるようにしていただきたいところ。

ちなみに体験版でもオプションからカメラ関連の設定を変更することは可能。カメラ距離については、フィールドとバトルでそれぞれ個別に3段階で変更できる。できるのだが……はっきり言って足りないのだ。


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一応カメラ設定は変更可能

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デフォルトだと1になっており、これを一番遠い3にしたら多少はマシになる。それでもデカい相手の時や、広いフィールドでの戦いではもっとカメラ距離を離させてほしいところ。



カメラに関してストレスを感じる点をもう一つ。それは、戦闘中にカメラリセットができないという点。フィールドではR3でカメラの位置をリセットして、クラウドの向いている方向に瞬時に戻すことができる。

しかし戦闘中になると、R3は敵をロックオンするボタンになってしまい、カメラをリセットするボタンが無くなるという謎仕様。L3が空いているのだから、ロックオンこそL3に割り当てて、R3はフィールドでもバトルでもカメラリセットでいいと思うのだが、いかがだろう。

そんな感じで、フィールドではともかく、戦闘中のカメラ周りについてはもっと他のアクションゲームを見習って改善してきてほしい。間に合わないならアップデートでどうにか。

他に何かあるとすれば、見た目は蝶野正洋さんみたいなバレットが、やたらと喋りまくってややうるさいのは意外だったことくらいだろうか。TGSで試遊した時には気にならなかったのだが。でも、思い返してみれば元のFF7でも、バレットはそんなキャラだったような気がしなくもない。


・ボリュームは価格相応だと信じてる

なんだかんだで2015年のE3での発表から5年にしてようやくの発売だ。とはいえFF7全体ではなく、今回はミッドガル脱出まで。神羅ビルを出て、カームの町に向かう所辺りだろう。ストーリーにも手が入っているらしいが、オリジナル基準だとまだ半分にも満たない分量だ。

にもかかわらず他のタイトルよりも高い9878円という定価なのが少し気になってはいるが、きっと何かあるのだと信じている。ストーリーの変更によるボリュームアップとか、そういうので丸々1本分のRPGと同等に遊べるものになっているのだろうと。

とりあえず今は体験版を周回して気分を高めつつ、来月の発売に備えようと思う。ところで体験版で手に入るモーグリメダルって、何に使うんですか? 製品版に引き継げるんですか?

参考リンク:FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.