『ぬれどら焼き』なる商品を買ったとき、指がベタベタになる程度のことは覚悟していた。そして同時に、そこまでして食べる価値がある商品かどうか見極めてやろうと思っていた。

今にして思えば「ぬれ煎餅」のイメージから『ぬれどら焼き』を想像していたのだろう。だが、それが根本的な間違いであった。『ぬれどら焼き』は『ぬれどら焼き』であって、ぬれ煎餅の “濡れレベル” とは全くもって別ものだったのだ。

・『ぬれどら焼き』とは?

そもそも『ぬれどら焼き』って何? と思っている人もいるだろうから、超簡単に説明したい。『ぬれどら焼き』は梅月堂が販売するどら焼きで、公式サイトの価格は1つ250円ほど。


通販でも購入できるので食べたい人はそちらをチェックしてもらうとして、やはり気になるのは「なぜわざわざ濡らすのか?」ではないだろうか。ぬれ煎餅さえも乾かして食べようとした私としては、どら焼きを濡らすなんて意味が分からない。

その行為、完全に無駄手間ではないのか? それとも、濡らすことで どら焼きがより美味しくなっているとでもいうのか? ……と、考えれば考えるほど気になってきたので、買ってみた次第。


・開封して気付いた

比較のため、ローソンで目についた濡れてないノーマルどら焼き(米屋 特上どら焼 / 税込145円)も購入。ひとまず、見た目の違いでも確認しようと、商品を開封したそのとき、私は気付いてしまったのだ。


ぬれどら焼き……!



全然 濡れてねぇ!!


いや違う!


しっとりはしてる……が!


ぬれ煎餅ほど濡れてねぇ!


正確には……


“ぬれ煎餅” と “普通の煎餅” ほどの差が……


“ぬれどら焼き” と “普通のどら焼き” には無い!!



2つを触った感じとしては……


ほぼ一緒!


なんなら……


“普通のどら焼き” の方がベタつく!!



・なぜ “ぬれどら焼き” なのか?

では一体なぜ “ぬれどら焼き” というのだろう。気になったので問い合わせてみたところ、「しっとり系だから」というのが理由とのこと。なるほど、たしかにしっとりしている。まったくもって間違ってはいない。

早い話が、しっとり系のどら焼きは他にもあるため、触った感覚をそれと比べたときに「差がない」と感じたのだろう。私はてっきり、ぬれどら焼きと言うくらいだからハチミツか何かでベトベトになっているものを想像していたが、冒頭で述べたように “ぬれ煎餅的イメージ” に引っ張られすぎていたようだ。同じような誤解をしていた人はご注意を。


・もう1つ気付いたこと

ちなみに、『ぬれどら焼き』を開封して気付いたことが実はもう1つある。それは……



あんこパンパン!


あんこの量が多すぎて、皮で包み込めていないのだ。それはまるでサンドイッチ。これはどう見ても、あんこ率に明らかな差がある。


そのため、味もかなり違う。『ぬれどら焼き』はあんこが前へ前へと主張していながら、皮とのバランスもいい。それに対して、ノーマルは皮の割合が多いため、どうしてもパンチに欠ける印象がある。ノーマルも十分に美味いが、『ぬれどら焼き』の方が味で圧倒していたのだ。


まとめると、『ぬれどら焼き』は想定していたような濡れ具合ではなかったものの、味は想定以上。というか、(しっとりレベルで)濡れていたから美味かった気もする。つまるところ、『ぬれどら焼き』の濡れ具合は絶妙……ということだろうか。

正直なところよく分からないが、美味いどら焼きを発見できたから良しとしたい。ごちそうさまでした。

参考リンク:梅月堂「おしながき
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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